新生活で気をつけたい「人間関係」を壊す口癖 「別にいいけど」は脅しのニュアンスを含む?

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意図的でなく何となく付け加えているのであれば、ネガティブニュアンスを含み、伝えた内容を強化したり、相手を追いつめやすいので、気を付けましょう。

反対に、相手が「いいけど」といった瞬間に、「あ、ダメなんだな」と認識することも大切です。相手が「その件については、もういいんだけどね」と言ったら、本当の意味では納得していないかもしれません。「けど」には、何か含みがあるということを理解し、「それに関しては一歩譲るから、こっちの意見も通してね」というように、交渉材料のつもりで「けど」を使う場合もあることを意識しておくとよいでしょう。

相手が「けど」を使ったときに「けど、何かあるのですか?」「けど、どうされました?」など、意向を尋ねる関わりをすると、本音を話してくれるきっかけにもなります。すり合わせのよい機会ともなるので、有効活用したいですね。

イラっとフレーズ2「だからさ~」

面倒なことを質問してきた相手や、間違った方法で取り組もうとしている相手に言いがちです。そもそも、目上の人にこのフレーズを使うことはないと思いますので、相手を軽んじていたり、下に見ているとこの言葉が出てしまう傾向があるのでしょう。

何度も何度も同じことが繰り返されている場合は、心情的にこの言葉を使いたくなるとは思いますが、口癖で使ってしまうのは避けたいところです。自分の中で完結されている思いを端折って「だから」と言われても、相手は不快に思うだけです。「だから」の前提にある思いを汲んでくれると思うのはおごりです。相手は、自分の気持ちを察してくれると甘えずに、丁寧に言葉で伝えることを心がけていきましょう。

イラっとフレーズ3「聞いてた?」「聞いてません」

いずれも相手に責任転嫁する意味合いを含みます。

前者は、対応してくれないのは私の話をきちんと「聞いていなかったからだよね」と念押しし、聞いていなかったあなたに責任があるというもの。

後者は、対応できなかったのは「あなたがきちんと説明してくれていないからだ」という言い訳に聞こえます。

「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」は、信頼関係を崩壊させる致命的なやり取りの1つです。お互いの負の感情が言葉の裏でやり取りされるので、不快感が増します。

口癖になっていませんか?

以上、挙げたフレーズは、最初の一言で発するとインパクトも強く、より相手に不快感を与える傾向があります。口癖になっていると会話の端々にも表れやすく、知らず知らずのうちに相手に負の感情を蓄積させていくことにつながります。

少し意識を向けるだけで相手とのやり取りの質が変わってきます。新しい関係性も増えてくる季節、スムーズで快適な関係性を築く一助となりますように。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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