意図的でなく何となく付け加えているのであれば、ネガティブニュアンスを含み、伝えた内容を強化したり、相手を追いつめやすいので、気を付けましょう。
反対に、相手が「いいけど」といった瞬間に、「あ、ダメなんだな」と認識することも大切です。相手が「その件については、もういいんだけどね」と言ったら、本当の意味では納得していないかもしれません。「けど」には、何か含みがあるということを理解し、「それに関しては一歩譲るから、こっちの意見も通してね」というように、交渉材料のつもりで「けど」を使う場合もあることを意識しておくとよいでしょう。
相手が「けど」を使ったときに「けど、何かあるのですか?」「けど、どうされました?」など、意向を尋ねる関わりをすると、本音を話してくれるきっかけにもなります。すり合わせのよい機会ともなるので、有効活用したいですね。
面倒なことを質問してきた相手や、間違った方法で取り組もうとしている相手に言いがちです。そもそも、目上の人にこのフレーズを使うことはないと思いますので、相手を軽んじていたり、下に見ているとこの言葉が出てしまう傾向があるのでしょう。
何度も何度も同じことが繰り返されている場合は、心情的にこの言葉を使いたくなるとは思いますが、口癖で使ってしまうのは避けたいところです。自分の中で完結されている思いを端折って「だから」と言われても、相手は不快に思うだけです。「だから」の前提にある思いを汲んでくれると思うのはおごりです。相手は、自分の気持ちを察してくれると甘えずに、丁寧に言葉で伝えることを心がけていきましょう。
いずれも相手に責任転嫁する意味合いを含みます。
前者は、対応してくれないのは私の話をきちんと「聞いていなかったからだよね」と念押しし、聞いていなかったあなたに責任があるというもの。
後者は、対応できなかったのは「あなたがきちんと説明してくれていないからだ」という言い訳に聞こえます。
「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」は、信頼関係を崩壊させる致命的なやり取りの1つです。お互いの負の感情が言葉の裏でやり取りされるので、不快感が増します。
口癖になっていませんか?
以上、挙げたフレーズは、最初の一言で発するとインパクトも強く、より相手に不快感を与える傾向があります。口癖になっていると会話の端々にも表れやすく、知らず知らずのうちに相手に負の感情を蓄積させていくことにつながります。
少し意識を向けるだけで相手とのやり取りの質が変わってきます。新しい関係性も増えてくる季節、スムーズで快適な関係性を築く一助となりますように。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら