dietary restrictionsは直訳すると「食事制限」という意味ですが、例えば宗教上の理由で、ある特定の食品を食べられない場合や、菜食主義のため野菜しか食べられない場合などが、この「食事制限」に当てはまります。日本では、まだあまり一般的ではないかもしれませんが、海外の方と食事をする機会のある場合には、こちらからこういったことを確認してあげられると、より親切でしょう。
世界の花粉症
「花粉症」がhay feverと呼ばれるようになった原因の植物は、イネ科のカモガヤorchard grass(またはcocksfoot)だったそうですが、現代でもイギリスでは夏になると、多くの人がこのカモガヤ花粉症に悩まされているそうです。イギリスでは夏が花粉症の季節なのです。
これに対して、アメリカでの花粉症は秋に多く、その原因となる植物はキク科のブタクサragweedの花粉です。日本では春のスギcedarの花粉症が最もひどいですが、このように国によって花粉症事情が異なっているのは面白いですね。
花粉が飛び散るような「乾燥した季節かどうか」も、花粉症の流行度合いに影響しているようです。確かに、日本でもイネ科の植物やブタクサの花粉症もありますが、夏や秋は湿気の多い季節なので、花粉が飛び散りにくいのでしょうね。そのおかげで、春のスギ花粉症ほど大流行にならずに済んでいるんですね。
こんなに厄介な花粉症ですが、19世紀のイギリスではなんと、上流階級の人がかかる病気であると信じられていたそうなんです。1887年の学会でアンドリュー・クラークというスコットランドの医師が
というようなことを言っていたという記事もあります。まるで花粉症にかかっている者のほうが、かかっていない者よりも優れているかのような発言で、階級だけでなく、知識や性質までもが花粉症と結び付けられてしまったんですね。
これはイギリスに限ったことではなかったようで、19世紀末から20世紀の初めまでアメリカでも、「花粉症は上流階級の者がかかる」というような認識があり、一種のステータスのような扱いであったようなのです。花粉症にかかった人々はhayfeveritesと呼ばれ、名誉な存在だったというから驚きです。「花粉症にかかりたい」という風潮すらあったようで……。1930年代以降になってようやく、「花粉症は、誰でもかかる病気でなのはないか?」と医師たちが疑い始めたようです。
所変わればだけではなく、時代が違うと花粉症のイメージは、まったく異なるものなんですね。
Well, are you happy to be a hayfeverite? I’m not.(さて、皆さんは「花粉症患者」でハッピーですか?私はノーです)
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