卓球「Tリーグ」初年度から見えた期待と課題 初代王者は男子が木下、女子が日本生命に

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第2マッチのシングルスは、木下は元中国代表の侯英超(ホウ・エイチョウ)、岡山からは4月の世界卓球代表に初選出された吉村和弘が登場。

侯はレギュラーシーズン途中に加入した38歳のベテランカットマン。後半戦に入り連敗続きだったチームを救った“救世主”だ。

カットとドライブを織り交ぜた戦術で粘りを見せた侯が勝利を決め、渾身のガッツポーズを披露した。

両チーム1勝ずつで迎えた第3マッチは、木下の水谷と世界ランク7位の岡山・李尚洙(イ・サンス)の対戦。水谷が圧巻のストレート勝ちをみせた。

歴史的一線を制した張本が、チームを初代王者へ導く

木下が初代王者に王手をかけて迎えた第4マッチには、満を持して日本のエース、張本智和が登場。対戦相手はダブルスでチームに勝利をもたらした森薗。

張本はスタートから「チョレイ!」を連発。一進一退の攻防が続いたが、最後は張本が森薗のフォア側に飛びついて打ったドライブを弾き返し、チームをTリーグ初代王者へと導いた。

勝利を決めた張本は、ベンチに向かって両手を振り、仲間を呼び込んだ。水谷と抱き合い「駆け寄って来てくれて嬉しかった」とこの場面を振り返った張本。一方の水谷は「あまりにも僕がスタートダッシュしすぎて、他の選手が来なかったので、ちょっと浮いちゃいましたね(笑)」と照れくさそうに話した。

こうして、Tリーグの歴史的シーズンを締めくくるに相応しい激戦となった男子のファイナル。つねにダブルスで主導権を握るスタイルで戦ってきた岡山に対して、水谷や張本といった“個の力”でシングルスをものにしてきた木下。この対照的なチームがぶつかり合ったからこそ、白熱した戦いになった。

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