親が子を「欠けた月」と見るから不幸せになる 家で過ごす時間が少ない父親にできること

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この「満月理論」は、私のクリニックにおける治療の土台となる理論で、うつなど心の不調に苦しむ人だけのものではありません。むしろ、今子育てに悩んでいる親御さんや、家族の問題を抱えている人にこそ知っておいてほしい考え方です。ざっと説明しましょう。

本来、「三日月」という月は存在しない

夜空を見上げると、日によっては三日月が浮かんでいます。でも、実は「三日月」という形の月はありません。月はもともとまん丸の「満月」。それは誰でも知っているはずです。地球からだと、太陽の光の反射具合でつねには「まん丸」に見えないだけなのです。

満月が勝手に形を変えて三日月になるわけではなく、私たちの目にそう見えているだけ。つまり、三日月に見えるのは人間の認識の世界の中だけのこと。月はもともとまん丸で、「完全で完璧な存在」なのです。

それを、そっくりそのまま人間に置き換えてみましょう。例えば、あなたの身近に、仲のいいAさん、そしてあまり気が合わないBさんがいたとします。私たちは心の中で「Aさんはこんな人(だから好き)」「Bさんはこんな人(だから嫌い)」と認識しています。

でもそれは、勝手にあなたが認識しているにすぎません。あくまであなたの認識の中でのAさんBさんにすぎず、本当のAさんBさんではないのです。

あなたが好きであろうが嫌いであろうが、どんな人ももともと、まん丸の完全で完璧な人間。そのような思いを持って人に接すると、人間関係の悩みは、実は意外なほど簡単に軽減されるのです。

(イラスト:うだひろえ)
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