親が子を「欠けた月」と見るから不幸せになる

家で過ごす時間が少ない父親にできること

この「満月理論」は、私のクリニックにおける治療の土台となる理論で、うつなど心の不調に苦しむ人だけのものではありません。むしろ、今子育てに悩んでいる親御さんや、家族の問題を抱えている人にこそ知っておいてほしい考え方です。ざっと説明しましょう。

本来、「三日月」という月は存在しない

夜空を見上げると、日によっては三日月が浮かんでいます。でも、実は「三日月」という形の月はありません。月はもともとまん丸の「満月」。それは誰でも知っているはずです。地球からだと、太陽の光の反射具合でつねには「まん丸」に見えないだけなのです。

満月が勝手に形を変えて三日月になるわけではなく、私たちの目にそう見えているだけ。つまり、三日月に見えるのは人間の認識の世界の中だけのこと。月はもともとまん丸で、「完全で完璧な存在」なのです。

それを、そっくりそのまま人間に置き換えてみましょう。例えば、あなたの身近に、仲のいいAさん、そしてあまり気が合わないBさんがいたとします。私たちは心の中で「Aさんはこんな人(だから好き)」「Bさんはこんな人(だから嫌い)」と認識しています。

でもそれは、勝手にあなたが認識しているにすぎません。あくまであなたの認識の中でのAさんBさんにすぎず、本当のAさんBさんではないのです。

あなたが好きであろうが嫌いであろうが、どんな人ももともと、まん丸の完全で完璧な人間。そのような思いを持って人に接すると、人間関係の悩みは、実は意外なほど簡単に軽減されるのです。

(イラスト:うだひろえ)
次ページ「もともと完璧なのだ」という「前提」からスタート
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 日本野球の今そこにある危機
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
100億円の寄付を即決<br>ユニクロ柳井会長の危機感

ともにノーベル賞を受賞した京都大学の本庶教授、山中教授に、ユニクロの柳井会長が過去最大規模となる総額100億円を寄付すると発表。研究支援を決めた背景には、サステナビリティ、社会課題の解決などに対する柳井氏の強いメッセージがありました。