親が子を「欠けた月」と見るから不幸せになる 家で過ごす時間が少ない父親にできること

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精神科医でYSこころのクリニック院長の宮島賢也氏(写真提供:KADOKAWA)
インターネットやSNSの普及による情報化が進んだこともあるのか、近年、うつなど「心の不調」を抱え込む小中学生が増加しているといいます。今の子どもたちは、対人関係などの面で「大人と同じストレス」を抱えやすい環境を生きているのです。
この記事は、世の小中学生が置かれたそんな生活環境をふまえつつ、新刊『うつぬけ精神科医が教える 心が折れない子を育てる親の習慣』を著した精神科医・宮島賢也氏に、子どものメンタルを支えるため、「特に父親はどうすべきか」を教えていただきます。宮島医師は、かつて7年間うつを患っていた経験を持っています。

子どもとのコミュニケーションで大切な考え方

以前よりも“イクメン”が増えたと言われ、そう実感する人も増えているでしょう。しかし依然として、仕事で帰宅が遅く、母親に比べてお子さんと過ごす時間が圧倒的に少ないという父親もかなり多いはずです。

そんな父親が、子育てにおいてできることとは、いったい何なのでしょうか。私は医師として多くの親子に会い、お話をしますが、たまにしかお子さんと一緒にいられなかったとしても、その「たまの時間」を大事にする意識を持てればいいと思い、そう伝えています。

父親の場合、母親と比較して子どもへの愛情表現が苦手という人も多いようですが、そのときそのときの素直な気持ちで接すれば、基本、大丈夫です。子どもはちゃんと、こちらの気持ちを察しています。

ただし、ご自身と職場との関係性を見たとき、自己犠牲や滅私奉公ではなく、適度に距離を置いた関係がベターでしょう。「必死のエネルギー」ではなく「喜びのエネルギー」で仕事に向き合うと、人間関係を含め、いろいろなことがうまく回ったりするものです。それと同じエネルギーでお子さんや奥さんと接するのです。

思春期の娘さんの場合、異性である父親を避けたり、汚いものでも扱うように接してくる場合もありますが、気をつかい、無理して媚びる必要なんてありません。たまにであっても、娘さんが何か話してきたときは聞いてあげればいいですし、娘さんが話したくなさそうなときには、そのまま話さなくていい。

これは息子さんの場合も同じですが、たまに話すだけにもかかわらず、説教だったり小言だったりするから、子どもにウザがられたりするのです。

お子さんが話をしてきたとき、父親として「聞く」ポイントは、

・何を言ってきても否定しない
・説教をしない
・自分の考えを押しつけない
・最後まで言わせる
・話をとらない
・自分の言いたいことを言わない

です。これは母親も同じでしょう。

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