「こぐまのケーキ屋さん」作者が送る快活な人生 「自分も予想しなかった自分」がそこにいた

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新人時代には、どうしても自分の個性を大事にしすぎて、失敗することもあるという。

「心の中にある“自分らしさ”や“好きなもの”を煮詰めて世の中に出すと、あまり喜んでもらえない場合があります。

逆に、みんなに読みやすいように自分を押さえつけて作品を作っても、うっかり“毒”は混入しちゃうんです。『こぐまのケーキ屋さん』にもしっかり“毒”は混ざっています。

そうやって抑えようと思っても、出てきてしまうのが個性なんですよね。

だから、あえて“個性を出そう!!”って気張らなくていいと思います」

カメントツさんは『こぐまのケーキ屋さん』以外にも、活動を広げていこうと思っている。

ツイッターやウェブ漫画のファンを増やしていきたい

「現在はいかに“『こぐまのケーキ屋さん』から脱却できるか?”というのが自分でも楽しみです。

幼少期から感じている

“他人はアンコントローラブルだ(操作できない)”

“他人は邪魔だ”

という思いを払拭できればと思っています。具体的には、他人と一緒に仕事をしています。ずっと1人で漫画を描いてきましたけど、今はあえてアシスタントを雇うようにしています。アシスタントに向けて指示を出すことも勉強なんですよね。

今後はチームワークを大事にする、新しい作品制作もやっていきたいですね。

「今後は漫画家同士の横のつながりを強化して、媒体自体の人気を上げていきたい」と語るカメントツさん(筆者撮影)

ユーチューバーには『ユーチューバーのファン』という層がすでにいますが、ツイッターの漫画や、ウェブ掲載の漫画には、そういうジャンル自体のファンは少ないんです。そこは少し危惧しています。

今後は漫画家同士の横のつながりを強化して、媒体自体の人気を上げていきたいと思っています」

カメントツさんは会話の中で

「“こぐま”にとっていいと思える選択をしたいと思いました」

など“こぐま”をまるで“自分の子ども”のように愛情を込めて話していた。それだけで、カメントツさんの漫画に対する気持ちがくみ取れたような気がした。

これからも、カメントツさんが作る“やさしい作品”や“おもしろい作品”を読みたいと思った。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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