ペイペイ巨額還元に打ち勝つ「楽天ペイ」の野望 楽天ポイントの2500億円還元は持続可能か

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――楽天としては、どういう付加価値を足していこうとしているのでしょうか。

詳細は現在検討中だ。日本のキャッシュレス決済が中国や東南アジアのような発展の仕方をするかはわからない。ただ現地のプレーヤーを観察すると、QRコード決済用のアプリに自社や他社のいろいろなサービスを乗せていって、利用者は生活のあらゆるシーンでその決済アプリを開いている。一昔前のポータルサイトみたいなイメージだ。

アプリはプラスチックのクレジットカードなどと違い、利用者とのタッチポイントそのものになる。もちろん、プラスチックカードでも保有者に手紙を送ったり、ホームページを見るように促すことはできる。ただ、アプリはもっと直接的。だからこそ、そこに何を乗せるのか、どんなふうに乗せるのか、それを利用者はどう感じるのかといったことをより真剣に検討しなければと思っている。たとえば、われわれのグループが手がけるフリマアプリの「ラクマ」の売上金をそのまま店頭決済などに利用できるような、ユーザーの利便性を高める取り組みを増やしていきたい。

加盟店にとっての商売の武器になる

――各社は決済手数料を無料にしたり、営業人員を大量に投入したりするなど、加盟店開拓でしのぎを削っています。楽天はどのようなスタンスでしょうか?

われわれは、加盟店の数ばかりを追求しない。ユーザーと加盟店、決済事業者という3者のどこかだけに負担が偏ったり、無理があったりすると、本当の意味でサステイナブルに回っていかないからだ。楽天市場や楽天トラベルでは、そういう3者の関係をすでに築けていると思っている。自分たちがやっているサイトではなく、自分たちと出店者でやっているサイトとして発展してきた。その構造は非常に大事で、ペイメントの世界でも、加盟店が「自らの商売の武器」として使えるようなサービスを作る。そして利用者にも喜んでもらう。それがゴールだ。

――楽天の電子決済サービスを導入することで、加盟店にはどのようなメリットがありますか?

電子マネーでは一部、いい例が見え始めている。プラスチックカードのエディは、地方のスーパーにどんどん入っていっている。仕組みはうちがOEM提供するが、デザインはスーパーそれぞれオリジナルのものだ。それを展開すると、実は店頭の売り上げが2割くらい増える。

エディがOEM提供しているカードによって、売り上げが伸びている理由はさまざまだろう。月末給料日前に残高に入っている分で、他店ではなくエディ端末のある店で買い物を済ませようという需要があるし、財布に入っているカードを目にすることでユーザーのマインドシェア(脳内の認知)が上がる面もあると思う。とにもかくにも、加盟店にとって楽天の電子決済サービスは、自分たちの武器として使ってもらえているし、これがスマホのアプリベースになるとさらにできることが増えるだろう。

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