お掃除ロボットが「盗み見たかも」しれない秘密 サイバー攻撃が目を付ける「IoT」の脆弱性
特定のIT領域それぞれについて、5年先までの進化を予想する『ITロードマップ 2019年版 情報通信技術は5年後こう変わる!』でセキュリティに関する章を監修した専門家が、IoTセキュリティの考え方を解説する。
IoTを狙ったマルウェア「Mirai」
IoT(Internet of Things)によって、さまざまなモノ(物)がインターネットにつながる世界が広がりつつある。それに伴って、IoTデバイスを狙ったサイバー攻撃の脅威も強まっている。
IoTデバイスがサイバー攻撃の対象となった事例としては、2016年に流行したマルウェア「Mirai」が有名である。
インターネットのインフラを提供するアメリカ企業、ダインを狙ったサイバー攻撃では、アマゾンやツイッター、テレビ局のCNN、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルといった企業のサーバーがダウンし、アクセスできない事態に陥った。
Miraiは工場出荷時パスワードなど簡単なパスワードが変更されずに使われているIoTデバイスを探し出し感染する。感染後はほかのデバイスへの感染を試みることで感染を拡大し、「仲間」を増やしていく(「ボットネット」と呼ばれる)。このボットネットに対して攻撃指令が発せられると、特定のIPアドレスに一斉に多量の通信パケットを送信し、攻撃のターゲットを「麻痺」させる。いわゆるDDoS攻撃である。
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