「#」から数千万円を盗んだ犯罪者の巧妙な手口 「反社のシノギ」はLINEスタンプだけじゃない
今年1月、指定暴力団組員の男がLINEスタンプを自作、販売していたことがわかった。スタンプには、「アニキと一緒です」「本部です」「若いのを行かせます」「ヘッドに確認して」「本部は誰が泊まるの?」などの文言が添えられており、販売額は上限の600円に設定されていた。
組員が関係者にスタンプ購入を強制すれば、みかじめ料徴収にもなりうる。慣れ親しんだLINEを使うことで、若者を暴力団に誘い込むきっかけにもなる。今後、匿名で利用できるSNSを使った資金集めが活発化する恐れもあるかもしれない。
このように、暴力団や窃盗グループなどの犯罪グループが、SNSを悪用している実態がある。さまざまな実例から、反社会的勢力に狙われる「SNSの危険な使い方と注意点」について解説していきたい。
悪用される「消えるSNS」
もともとは若者の間でコミュニケーションを楽しむために流行した、インスタグラムのストーリーズや、スナップチャットなど、「一定時間で消えるSNS」。最近は犯罪グループなどが、このようなSNSを悪用する例が増えている。
2015年には、インターネットバンキング利用者IDなどを盗むウイルスを作ろうとした札幌市の少年に対して、東京都内の大学職員の男がツイッター経由でコンタクトをとり、消えるSNSを使ったやり取りを提案。少年は男の指南で作ったウイルスを販売して、不正指令電磁的記録保管容疑で逮捕された。男は少年の供述に基づいて幇助容疑で逮捕された際、「警察の目を逃れるために消えるSNSを使った」と供述している。
そのほか、違法薬物の密売や振り込め詐欺などの組織犯罪でも、消えるSNSは利用されている。犯罪グループ内のメッセージのやり取りにも使われており、主犯にたどり着けないケースもあるという。
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