セブンの営業時間騒動「合法だからOK」への疑問 資本主義に沿っているといえばそうだが
東大阪市のセブン-イレブンのオーナーが、人手不足から24時間営業を自主的に取りやめ、朝6時から深夜1時までの19時間営業に変更したところ、セブン-イレブン本部から契約解除と違約金1700万円を通告されたことが社会問題になっています。
報道によればこちらのオーナーのお店では、慢性的なアルバイト不足にあったようです。そして昨年、一緒にお店を切り盛りしていた奥様をがんで亡くしてからさらに状況が厳しくなったといいます。
オーナーはたとえ昼間12時間お店で働いた後でも深夜のバイトがいなければ、代わりに自分がそのまま深夜勤務に入らなければならないわけで、実際、こちらのオーナーの場合はそのような日々が続いていたそうです。
24時間営業を自主的に放棄したら契約違反に
また本部にスタッフの支援を求めても十分な支援がなく、体力が続かず、結局24時間営業を自主的に放棄したところ、契約違反として本部から違約金を求められる立場になったそうです。ただし、セブン-イレブン・ジャパン側は「契約解除を通告したという認識はない」と主張しています。ここは重要なポイントなので、後で述べたいと思います。
現在、オーナーと本部は継続的に対話を続けている状態といいます。話題が拡散したことで本部は態度を軟化させ、直営店での時短実験を始めることにしました。また、このオーナーに対してもスタッフを派遣するので24時間経営に戻すように説得を始めたようです。
全体的にはまるで巨大な象と戦うアリのような構図ですが、この問題はそれほど簡単ではありません。
セブン-イレブンは社会が必要とするインフラであるうえに、一連のやり取りを考えると、セブン-イレブン・ジャパン側は何も法律に違反しておらず合法です。契約があって、粗利の少なくない部分を本部が吸い上げるのも、商品の廃棄ロスの負担を本部が決める計算方式になっているのも、本部に従わないお店に契約解除を通告して違約金を課すことができるのもすべて契約のうえです。
では「言った、言わない」の問題はどうなのでしょう。セブン-イレブンは今回、東大阪の店舗に対して契約解除の通告はしていないそうです。していない以上、違約金の1700万円というのも言っていないということでしょう。
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