セブンの営業時間騒動「合法だからOK」への疑問

資本主義に沿っているといえばそうだが

さらにセブン-イレブンは昨年2月の福井豪雪の際にも災害に遭ったお店のオーナーからの営業中止要請に応えなかったことがあります。オーナーの妻は長時間労働で倒れ病院へ搬送され、オーナー自身も50時間不眠で働き、過労死寸前の状態でした。

このときも社会問題にはなりましたが、セブン-イレブン・ジャパンは「有事の際は人命を優先しており、営業の継続はオーナーに委ねている」として、事件はあくまで現場社員とオーナーの間のコミュニケーションミスだったと説明しています。

東洋経済オンラインが2017年5月にセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長にインタビューした際、古屋社長は「深夜帯の人手確保は困難な状況が続いている。セブンとして24時間営業を見直す考えはないのか」という記者の質問に対し、「見直すつもりはいっさいない」と答えていました。

そのほか、「仮に深夜帯に閉めてしまうと、朝と夜の売り上げが激減してしまう」「いつでもセブンが開いているというのが、お客様の安心感につながる」(古屋社長)とも話していました。

「合法」であれば企業は何をしてもいいのか

あくまで極論と断りますが、セブン-イレブンに限らず、大手コンビニではどこかのお店のオーナーが過労死しても、オーナー側が搾取されても、契約上は問題なく法には触れません。現場で何かが議論されたうえで、本部に伝わらず本部や社長が認識しなかったとしても、企業としての姿勢に疑問は残りますが合法です。

世の中にはこのような合法的であるにもかかわらず、どうも腑に落ちない企業活動が多く存在します。それはオーナー商法に特によく見られる傾向です。

今回問題になっているコンビニとは別の例ですが、空き地を有効活用しようとオーナーに持ちかけるアパート商法があります。契約は合法で、「30年で投資回収できる」「最初の10年は空室の家賃保証をする」といってオーナーに借金をさせてアパートを建設させるわけです。

実際はアパートの建築を請け負うことで儲け、アパートの管理で儲けるうえに、10年経つと実際には当初に提示した計画の家賃では新規の賃借人が募集できないことが判明します。そこで家賃の引き下げを提案し、オーナーも相場に合わせて下げざるをえないのですが、そうするとオーナーは結局儲からなくなる。

最初から相場よりも高い賃料で計画をつくりオーナーにサインさせるわけですが、この仕組みもノウハウの塊で、基本的には合法で作られています。この手のビジネスのポイントは、オーナーに長期の投資をさせたうえで、合法的に契約を結び、さらに長期にわたって合法的に交渉力を活用して契約を有利な方向へと変更させていく方法をとります。

一般の人がまず気をつけるべきはそういったビジネスモデルだということに気づくことです。気づけた場合は大丈夫ですが、もし気づかずに契約をしてしまうと、あとは合法的にオーナーとしてお金を搾取される立場にまわってしまう。こういったビジネスモデルが世の中には多数存在しています。

次ページでは「問題の本質」は何なのか?
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