中原:やはり結果がわかるから、成功も失敗も面白いと思える。コストが安いから失敗してもまた次へいこうって、前向きな話になっていくわけですね。
鈴木:そうそう。僕らの具体的な調査の事例って、きちんと数字で残していて、あとはスポンサーに面白い提案ができるように、独特な方法でセグメントしたりして……。
例えば、カシマスタジアムに来るお客さんは、意外と女性客が多いんですよ。Jリーグではうちは女性比率がトップなんですね。その結果を基にして、例えばLIXIL(リクシル)さんに「女性のためのトイレを作りませんか」「1カ所だけでもいいから、写真を撮りたくなるような、ものすごいトイレを作りませんか」という提案をしたりして……。
中原:観光にとってトイレは大事な要素ですが、それはスポーツ観戦にも当てはまると思います(笑)。
鈴木:「コンシェルジュがいるようなトイレを作りましょうよ」「スタジアムにあったらおかしいようなトイレを作りましょうよ」って提案すると、LIXILさんも「面白いね」って言ってくれて……。それでは、どうやって作るのか、費用はどこが持つのか、スタジアムは県の施設だから県をどうやって説得するのか、という話になっていって……。
とにかく、いろいろな調査をして数値化していくと、新しいことが次々とできるようになるんですね。
「SUITE BOX」が変われば、もっとすごいことに
中原:そういえば、スタジアムで思い出したのですが、鈴木さんもご存じの私の友人から十数年前にスタジアムのSUITE BOX (鹿島のVIP席)に招待されたことがあったんですよ。あの席は今もあのまま変わっていないですか?
鈴木:残念なことに、変わっていません(苦笑)。
中原:鈴木さんはすでに私が何を言いたいか、わかっているみたいですね。実はあの時、率直に思ったのは、とてもVIP席といえる仕様ではないし、座ると試合が見えない……はっきり言って外で観戦したほうがマシだということです。
VIP席という位置づけであればもっと豪華な造りにして、茨城はおろか首都圏の経営者たちが集まるようなサロンみたいにすればいいのに……そのほうが収益は上がるのに……と当時思ったことを今思い出しました。
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