鈴木:そうなんです。どのチームも漠然と「J1で優勝します」とか「アジアでNO1になります」「世界に行きたいです」って言うんですが、具体的に何をもってそこに近づいていくかっていうことがわかっているか、わかっていないかって、すごく大きいと思うんです。
デジタルだって同じ話なんですね。何のためにデジタルをやるのかっていったら、これをやったらこういう結果が出るということが予想できるからです。予想と違ってダメな結果だったら、次はやめればいいわけです。デジタルはコスト上のリスクがいちばん少ないじゃないですか。
中原:おっしゃるとおりです。
デジタルを使えば、すべてが「見える化」できる
鈴木:ずいぶん前の話になりますが、スポンサーにチラシをまいてほしいと言われて、チラシを数万枚印刷して何十人という要員で配っていました。その結果、ほとんどが捨てられました。チラシはゴミとして回収し、その焼却代までかかりました。そのようなことを延々とやってきたのがプロスポーツであって、本当にチラシの効果なんてあるのかと思いつつも、お決まりの約束事だからやらなければならなかったんですね。
でもデジタルを使うようになってからは、今はそういうことはやめて、デジタルクーポンを配りましょうよって提案できるようになった。例えば、関彰商事(※茨城最大の商社:事業はガソリン卸売りほか多岐にわたる)さんに「デジタルクーポンでお客さんにガソリン券をプレゼントしたいから、1試合当たりで500リットルのガソリンをちょうだい」ってお願いしたりして……。
僕らはそのデジタルクーポンで「ガソリン券が当たります」と宣伝するわけです。100リットル券、50リットル券、20リットル券とプレゼントするんだけれども、お客さんも当たったら嬉しいじゃないですか。おまけに、当たった人が関彰商事のガソリンスタンドに行ってそのあとリピーターになったかどうかっていうことも、デジタルだからわかるわけなんです。
そういうことをやりましょうって次々とやっていくと、スポンサー側も「意外と面白いな」っていうことを言ってくれる。たぶん、デジタルをどんどん使っていかないと、スポンサーも僕らもマーケットを維持できないかもしれないって思うんですよね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら