例えば、レアルは選手を勝たせるための周辺のスタッフだって、FIFAがパッケージとしている50人どころじゃない数を連れて来ているんです。うちのチームはメディカルのスタッフを3人連れて行ったんですけど、レアルを見たら9人もいるわけですよ。ドクターだってうちは1人なんだけど、レアルは3人もいたんですよね。
そのほかに、メディアスタッフなんかは1桁多くなるんだけど、僕らはデジタル担当を2人連れて行ったんです。ところがレアルを見てびっくりしたのは、こうしたその関係のスタッフを30人くらい連れて来ているんですよね。
レアルの売り上げはアントラーズの12~13倍、選手の人件費は20倍くらいなんですよ。それを考えると、僕らがレアルを目指すなんて簡単に言えないなって話になるじゃないですか。レアルに追いつきたいと思ったって、そこを埋めるのは簡単じゃないってことがよくわかった。
お金をかけるべき場所に「どれだけかけるか」がわかった
中原:でも、お話のニュアンスからすると、光明は見えたわけですよね?
鈴木:そのとおりです。僕らの売り上げが約70億円、レアルが約870億円という差があるわけだけど、チームを勝たせるという意味で考えるお金のかけ方っていうのを比較していくと、「あれっ、全然12倍、13倍にはならないよね」って話になるわけです。
勝つためにやっていることは基本的に同じであり、あとはスタッフの数や選手の技術の問題だったりするので、売り上げを10倍にしたり人件費を20倍にしたりするのはできないけど、感覚的に、ここに今の3倍はお金をかけることはできるようになるだろうってことになるわけです。
そうすると僕らも、レアルが選手を勝たせるためのいろんな手法を持っているんだけど、それに近づくことはできるよねっていうことです。でもこれは、レアルと一緒にいなければわからない話なんです。ごめんなさい。話がそれてしまいましたけど……。
中原:いえいえ。そこがわかっているのか、わかっていないのか、すごく重要だと思います。
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