マイナス金利で日本は「空き家だらけ」になる

日本は構造改革できず再びバブルがはじける

マイナス金利でアパートなどの住宅建築はバブル状態だ(写真:HAKU / PIXTA)
「もっとも予測が当たる経済アナリスト」と言われ、欧州債務危機や2014年の消費増税先送り、さらには原油価格の急落を予見するなど、数々の予測的中でその実績を示してきた中原圭介氏。今回、新刊『中原圭介の経済はこう動く〔2017年版〕』(東洋経済新報社)の刊行に際して、経済を予測するポイントや今後の国内外の経済動向、マーケットの見方や注意点などについて、金融アナリストとして活躍中の三井智映子氏が3回にわたってインタビュー。第3回(最終回)は、日本経済について展望する。
第1回 2017年、世界を揺るがす「リスク」はあるか
第2回 2017年、欧州が世界経済の火薬庫になる?

アベノミクスは、最初から理論自体破たんしていた

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三井:日本で2013年以降、新しい経済政策が始まってほぼ4年が経とうとしていますが、中原さんはアベノミクスの未来について、始まった段階からかなり正確に予測をされていましたね。

中原:金融緩和に頼る円安によって、実質賃金が下がり消費が冷え込むことは、普通に因果関係を考えれば、誰にでもわかることだと思います。ところが、なぜか政権のブレーンとなっている学者にはそのことがわからないから、いまだに不思議で仕方がないのですよ。実は、民主党政権時代にも日本銀行に緩和圧力をかける動きがあったので、自民党政権が誕生する前にはそういった趣旨の本は書きましたが、あまり売れ行きがよくありませんでした(笑)。

三井:なぜアベノミクスのような「誤った政策」が行われてしまったのでしょうか?私のまわりにも生活が苦しくなったという人たちが増えています。

中原:日本で浅はかな経済実験が行われてしまったのは、ポール・クルーグマンの「インフレ期待」という理論が「原因」と「結果」を完全に取り違えているにもかかわらず、彼を支持する学者たちが為政者にその理論を見事に信じ込ませてしまったからでしょう。

経済の本質からすれば、「物価が上がることによって、景気が良くなったり生活が豊かになったりする」のではありません。「経済が成長する結果として、物価が上がる」というものでなければならないのです。もちろん、「経済が成長する結果として、物価が下がる」というケースもあるので、アベノミクスの理論自体が、始める前から破綻していたわけです。

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