なぜ人はいつまでも「成功体験」を引きずるのか 変化できる組織はどのように作ればいいか

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今までのやり方や常識が通用しない時代を生き抜くにはどうしたらいいでしょうか(写真:tkc-taka/PIXTA)
ネットやAIの台頭、グローバリズム化、業界再編、新規競合の出現など、社会環境が急激に変化し、止まりません。今までのやり方・常識が通用しない今、その変化に合わせて、柔軟に対応していかなければいけません。
では、どのような形でチームメンバーや部下たちの「価値観」を変え、望ましい行動に誘導していけばいいのでしょうか? 営業のコンサルタントとして企業のコンサルティングに携わる山北陽平氏の著書『結果を出すリーダーほどこだわらない』から一部抜粋のうえお届けします。

あなたの会社や部署、チーム、お店は、近年のネットやAIの台頭、グローバリズム化、業界再編といった、急激な外部環境の変化の影響を受けているでしょうか?

変化の大きさや影響の度合いはそれぞれだと思いますが、ここ数年の外部環境の変化の影響を受けていない企業は、ほとんど皆無と言っても過言ではないでしょう。ご承知のとおり、今の時代、組織の大小問わず、倒産やリストラ、SNSに端を発する不祥事など、つねに大きなリスクが伴います。「今までのやり方・常識が通用しない時代」とも言えます。そんな時代を生き抜くにはどうしたらいいでしょうか。

スマホの登場で変化した市場

日本でも今年の4月30日で平成の世も終わりを迎えるわけですが、この平成30年の間に起こった最も革新的なことといえば、スマートフォンの登場とそれに伴う技術や情報革新でしょう。

スマホ1台あれば生活上困ることもほとんどなくなり、仕事の多くもこの端末のおかげで効率化が図れていると言っても過言ではないはずです。

いつ、どこにいてもスマホを介して情報の受信だけではなく発信が可能になり、情報の伝達速度が段違いに上がりました。また、今まではマスメディアが情報発信源のメインの存在でしたが、SNSの発達によって誰でも簡単に情報を発信することが可能になり、身の回りにあふれる情報の量が格段に増えました。

それにより新しい流行や市場が開拓され始め、既存の市場でダメージを受けているところも少なくはないはずです。

例えば、ゲーム業界は、市場規模だけで見れば右肩上がりですが、その売り上げの多くをスマホゲームが占めています。出版業界も漫画に関しては電子の売り上げが紙の売り上げを抜き去りました。スマホ向けのゲームを制作していない会社や、電子書籍の整備が遅れている会社は当然、今後の事業展開に頭を悩ませていることでしょう。

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