なぜ人はいつまでも「成功体験」を引きずるのか 変化できる組織はどのように作ればいいか

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壁マネジメントには、次の3つのルールがあります。

①行動ルール、中間成果、最終成果の設定
②介入ルールの設定
③フィードバックルールの設定

この3つをそれぞれ設定して、実行に移します。

具体的には?

まず①において、チームや部下が成果を出すために必要な行動をルール化し、動いてもらいます。この際に基本的にはマネジャーが部下の行動を設定します。これは部下に自分で行動を設定させると今までと同じ価値観で行動してしまうからです。

そこから最終成果には目的と現状のギャップを見つけ、中間成果はその最終成果につながるものを設定するのです。無理なく行動できる中間成果を掲げることで最終成果につながるような行動ルールを作らなければなりません。

さらに、②においてその行動ルールを遵守させるために、介入ルールを設定する必要があります。壁マネジメントにおいて、部下が望ましくない行動に流れないためにも、介入することが重要です。

そして最後に、③ではその介入した行動をこれからもルール通りに実行し続けてもらうために「フィードバックルール」の設定が必要不可欠です。ルール通りの行動をしたあと、メリットが与えられるとすれば、次からも望ましい行動を繰り返すようになります。逆に、デメリットがあれば、それは望ましくない行動として同じことを繰り返さないように学習するはずです。

このように、望ましい行動は強化し、望ましくない行動は弱化させるためにも、フィードバックは必要なのです。

そして「壁マネジメント」で重要なことは、継続すること、また無理難題ではないこと、それから「壁マネジメント」を行った際の結果が可視化できることです。可視化することによって感覚ではない、具体的な改善点が浮かび上がってきます。継続性や再現性があるのも、重要な点です。

ダーウィンの言葉に「唯一生き残るのは、変化できる者である」というものがあります。強い者でも、賢い者でもなく、環境に適した者が生き残るということです。

『結果を出すリーダーほどこだわらない』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

最近、コマーシャルや広告ポスターが炎上することが増えてきています。その多くは人権意識の変化の表れからでしょう。あらゆる技術の革新はもちろんのこと、人間の意識の変化もここ数年、顕著です。その人の意識の変化の察知に後れをとった広告や宣伝がSNSで炎上し、そして淘汰されていくのです。

至る所で絶え間なく「変化」が発生し続けている現在、明日には今日の価値観が意味を持たなくなっているかもしれません。そんな時代で生き残るために必要なものは、変化に柔軟に対応していく力であり、今までに固執せず、変化を受け入れていくことなのです。

山北 陽平 コンサルタント
やまきた ようへい / Yohei Yamakita

アタックス・セールス・アソシエイツ、コンサルタント。NLPマスタープラクティショナー。営業のコンサルタントとして企業のコンサルティングに従事。現在はNTTドコモ、パナソニックグループ、朝日新聞社などの大企業から中小企業まで、多くの企業に「行動分析学」を基にした行動改革指導を実施。その指導は年間200日、1000時間を超え、指導対象ビジネスパーソンは年に3000人に上る。

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