「普通の家庭の子」の精神が追い詰められるワケ 7年間、うつを経験した医師が語る実際

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家に帰りたくないお父さん「フラリーマン」も最近話題になっていますが、フラリーマンは、家に居場所がなくても職場や外に居場所があります。でも、子どもは家にも外にも居場所はなく、心が満たされない状態が続きます。

「ダブルお母さん」がいるご家庭は、両親が子どもによく接している分、周囲からは「いい家庭」に見えることもあります。それどころか、親御さんも「わが家はいい家庭」だと思っている。でも、肝心な「子どもの心」は置き去りです。

子どもは親の「言葉以外の部分」を察している

「過保護」の親とその娘をユニークに描いた『過保護のカホコ』というテレビドラマがありましたが、親の過保護が「過干渉」までいくと、子どもの決定権はほとんどなくなってしまいます。

親が先回りしてなんでも決めてしまう。あるいは、それしか選択できないような提案をしている場合も。「こうしなさい」とは言わなくても、「こうしたほうがいいよね」「そっちがいいんじゃない?」と提案しているようでいて、結果的には子どもに選択の余地がない状態にさせていることがあるのです。

もちろん、「親の言うことを聞いてよかった」というお子さんもいますが、なかには自分の気持ちを押し殺し、ため込んでしまうお子さんもいます。でも、たまったものは、いつか爆発します。自分自身で爆発する子もいれば、ため込んだまま大人になり、自分自身の子育てのとき、そのお子さんのトラブルとなって爆発する場合もあります。

『うつぬけ精神科医が教える 心が折れない子を育てる親の習慣』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

子どもは言葉以上に、親の言葉以外の部分を感じ取っています。「私はなんでも子どもに決めさせている」と言う親御さんもいますが、「自分で決めていいんだよ」と子どもに言いながら、目つきや雰囲気で「選択肢はこっちしかない状態」にしていることもあるのです。

言葉に出さなくても、子どもは敏感に「こっちを選んでほしいんだろうな」という親の思いを読み取ります。親が想像する以上に、子どもは親の気持ちを察しているのです。

親子の関係は、短く見積もっても10~15年はあります。その間、子どもは親の背中を見て育っていく。ですから、口では言わないことも無意識のうちに感じ取りますし、すべて子どもの「潜在意識」の中に入っていきます。

子どもが何歳であっても、過度な干渉はおすすめしません。小さい頃から干渉しすぎると、一見しつけはうまくいくかもしれませんが、親の顔色をうかがう子どもになってしまいます。どんなに小さな子どもでも、何もわからない人として扱うのではなく、生きる力を持っている1人の人として、自分の人生を自分で決めていくためのサポートをしていくことが大切だと私は思います。

宮島 賢也 精神科医・産業医

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みやじま けんや / Kenya Miyajima

1973年、神奈川県生まれ。防衛医科大学校卒業。研修中、意欲がわかず精神科を受診、うつ病の診断を受ける。自身が7年間抗うつ剤を服用した経験から、「薬でうつは治らない」と気づき、食生活と考え方、生き方を変え、うつ病を克服する。その経験を踏まえ、患者が自ら悩みに気づき、それを解決する手伝いをする方向へと転換。うつの予防と改善へ導き、人間関係を楽にする「メンタルセラピー」を考案する。心の深い世界を知ったことから、さらに探求を開始し、現在は産業医などをしながら、心の不調の予防や教育により一層関われる方法を模索中。

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