「ペット専用」保険、今更聞けない基本中の基本 保険料の大幅な値上げや更新制限もある
ペットが高齢になるほど保険の必要性は増すため、何歳まで更新ができて、保険料がいくらになるかの確認は重要だ。
多くの会社でネットでの契約申し込みが可能だが、ネット上では、加入時の保険料はわかっても、その後の保険料がわかりにくい場合があることにも注意が必要だ。例えば、業界2位で2004年創業のアイペット損害保険のペット保険は12歳までしか保険料表がない。「うちの子」70%プラン・小型犬の場合、12歳時の年払いは11万0070円だ。電話でその後の保険料を聞いてみた。15歳で16万0460円、20歳だと31万6080円だという。
年齢別保険料表示があっても確定はしていない
将来の保険料をしっかり確認して契約する必要はあるが、約款で保険会社が契約内容や保険料を変更できるようになっており、更新時に保険会社が定めた保険料が適用されるので、年齢別保険料表示があっても更新時の保険料は確定はしていない。したがって、重要事項説明書や契約書にも将来の保険料は表示されていない。
一般には損害保険は収支により保険料率が変更されることがあり、若干値上げ(場合によっては値下げ)される場合があることは多くの消費者が知っていると思われるが、ペット保険では一挙に2.7倍になってしまった事例がある。
楽天少額短期保険株式会社(旧・もっとぎゅっと少額短期保険株式会社)の「もっとぎゅっと新ワンニャン保険」だ。この保険は2017年3月末まで販売代理店であるペットショップ向けの専用商品として販売されており、保険料がペットの年齢によらない「一律型」であった。
だが、財務省関東財務局にもっとぎゅっと少額短期保険株式会社(当時)より、ペットの年齢別・犬猫種類別による「個別型」に2017年8月に約款変更申請し、受理された保険だ。2017年12月1日以降に保険期間を開始する新規契約・更新契約から順次、改定内容が適用された。
「保険金の支払い実績を考慮し、お客様の公平性の観点から」という理由でペットの年齢別・犬猫種類別の保険料となった結果、例えば、50%プランで2万8730円であった年間保険料が小型犬10歳以上だと7万7860円と一挙に2.7倍になった。年齢ごとに保険料が上がる保険(ここでいう「個別型」)が一般的ななかで、「一律型」ではペットの高齢化、医療費の高額化などに対応できないということだろう。
現在、この保険の新規契約受け付けはネット向けで継続こそしているものの、ペットショップ向けの代理店販売終了後は販売数が大きく減少している。
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