「カメ止め」大ヒットしても超謙虚な監督の流儀 大切なのはプライドよりも「作品の面白さ」

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「どんな映画を作っても、『カメ止めのほうがよかった』『一発屋だった』と言う人は一定数いると思っています。だったら、早く公開してほしい(笑)。自分にとっては、映画を撮影できることがいちばんのご褒美であって、評価や人気は追加のご褒美みたいなもの。後者には良くも悪くも踊らされてしまうから、正直な話、早く通常運転に戻りたいなって」

「若者の閉塞感」って言葉、やめませんか

平成最後の大ヒット作として、『カメラを止めるな!』は邦画史上にその名を残す可能性が高い。上田監督にとって喜怒哀楽が詰まっているだろう平成という時代は、「どんな時代だったのか?」。最後に聞いてみると、「僕は社会が抱えている問題とかあまり意識しないからなぁ」と前置きしつつ、「そろそろ若者の閉塞感って言葉、やめませんか」という言葉が返ってきた。

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「いつまで言うてんの?って。そんなに若者には閉塞していてほしいのか?って思うときがある。閉塞している人なんて、いつの時代もいるじゃないですか。今、『日本の未来は明るいぜ!』って言うと、『こいつ大丈夫か?』って思われると思うんですね。だから、なんとなく悲観しておいたほうがいいみたいな風潮がある。ファッションとしての閉塞感みたいなものがあって、それってそろそろやめませんかって。

僕自身、20代の頃は、やまない雨はない、みたいなことを思い続けて生きてきたイタい人間でした。今の自分が当時の自分に遭遇したら、きっと『あぁ……』ってなるでしょうね(笑)。

無理をしてポジティブになる必要はない。その逆もしかりで、過度に悲観する必要もない。素直に生きていけばいいだけ。思い込みがいちばん厄介だということは、身をもって体験していますから。これからの時代は、素直に、正直に、という気持ちが大きな力になるんじゃないかなって、ちょっと思ったりしますね」

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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