「カメ止め」大ヒットしても超謙虚な監督の流儀

大切なのはプライドよりも「作品の面白さ」

頑張り続けることは大変だろう。だが、日常に少しずつ夢を混ぜていくことは、決して難しいことではない。ダブルワークや二毛作だったとしても、徐々に自分の好きなことを混ぜて、好きなことの比率を増やしていけば、形になっていく。

「『カメ止め』の主人公・日暮監督が肩車をしていた幼少期の娘役は、携帯ショップ時代の同僚の娘さんが演じているんですよ」

『カメラを止めるな!』は、混ぜ続けた集大成だと笑う。

本当にやりたいことは絞ったほうがいい

2019年には、3人の監督が1つの長編映画を監督するという、型破りの新作が控えている。

「オムニバスではありません。それぞれの個性を活かした三者三様の演出やスタイルが入り混じった長編作品です。情報解禁になるまで何も言えないので、『カメ止め』同様、今回も“とにかく観てください”としか言いようがない」

2019年には、3人の監督が1つの長編映画を監督するという、型破りの新作が控えている(撮影:梅谷秀司)

新作は、昨年の夏にクランクイン。『カメラを止めるな!』現象が席巻する中で、撮影・編集を行った。「結果的に、3人で撮影するというスタイルに助けられました。自分のパート以外は、2人の監督が撮影してくれますから」と謙遜するが、“カメラを止めるな”ならぬ“歩みを止められない”中で取りかかるのは大変だったのではないか。

「多少は休みたい気持ちもありましたが、やっぱり映画を撮影できることが幸せなんですよね。ただ、これだけ目まぐるしい日々を送らせてもらって、大事にする人は多くしすぎないほうがいいな、と思いました。

膨大な数の人と出会えることはありがたい一方で、その分、どうしてもエネルギーが分散されてしまう。映画を撮影するときに、エネルギーがなくなっていたら、本末転倒ですよね。本当にやりたいことを絞ったほうがいいんだろうな、という気づきがありました」

新作が公開されれば、「あの『カメラを止めるな!』の上田監督が放つ」といった過剰な修飾語が躍ることが予想される。プレッシャーはないのか?

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