最近、こんな例がありました。40歳の女性Bさんは、48歳の男性公務員のSさんと交際中です。Sさんには同僚やその奥さんの年金がわかりますし、自分の退職金もはっきりしている。ところが、Bさんは最近まで音楽業界にいて、ここ数年整体の仕事をするようになり、貯金がありません。年金も、社会保険を支払っていた期間が短いので、月5万ほどしかありません。
この2人が付き合うようになって、Sさんは「退職金はいくらですか」とBさんに聞きました。Bさんは退職金など考えたこともない。「ありません」と返すと、Sさんはがっかりしてしまいました。「そんな世界があったのか」と。
退職金がない仕事をしている人を知らなかったのですね。Sさんがドン引きした姿を見て、Bさんは「私と結婚するのはハードルが高いのだと気がつきました」と意気消沈。
Bさんは振られたわけではなかったので、こうアドバイスしました。「もっと違うことをアピールしなさい。私は手に職があり、定年がないので長く働けます、と伝えたら」。整体の仕事を現役で続けられれば、年金もいりません。「富裕層の老人ホームで整体をする」とか、いろいろな戦略があるでしょう。事業計画を次々に出して、何となく「この人稼げそう」という雰囲気を出していけばいいんです。
男性は「男は女を食わせるもの」とは思っていない
そういったアピールを経て、Bさんは今、Sさんの中で存在感が大きくなっているようです。この例でわかることは、男性側の意識の変化。かつては男が食べさせるのが普通だったわけですが、Sさんには、「女性を食べさせなければいけない」という発想がすでになかったわけです。相手の女性は「年金も、退職金もあるだろう」「同じような収入がある者同士で結婚するのだろう」と思い込んでいる。
実は、婚活市場は一般的な感覚や、世間の常識よりも早く変化しています。この価値観の変化にぴったりはまったのが、前出の女医Yさんのような尊敬婚ですし、Bさんのように貯金がなくても、「こうしたい」というアピールがしっかりできれば尊敬が得られ、パートナーシップを築くことができるのです。
Bさんの場合は美容に気を遣っているので、「毎日電車に乗って、身ぎれいにしていつまでも若くいられる」と、もっとアピールしなさいともアドバイスしています。「自分の奥さんはいつもキラキラしている」というイメージになるので、年齢よりも若めの服を着るように言っています。
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