当相談室には、30代前半の方でも、「離婚をしたいが、再婚のことを考えるとこの年齢では無理なので、悩んでいる」という相談が、年に3~4度はあります。私は約50年前、24歳で結婚しましたが、地方だったこともあり、当時は随分「行き遅れ」扱いを受け、家族以外の心ない人たちからの余計なお節介には辟易したものでした。
今や50代や60代でも、幸福な結婚や再婚・再再婚の事例をいくらでも見つけられる時代です。結婚適齢期は、周囲が押し付ける無責任な基準であり、年齢ではないことを肝に銘じるべきです。
年齢で焦り、相手とのフィットをよく考えずに心の中で無理やり正当化して結婚すると、数カ月後に「年齢で焦って結婚して、大後悔」という幾多もの“適齢結婚失敗者”の列に加わることになりかねないのです。
結婚生活のトラブルのタネのビッグスリーの1つがお金の問題です。
金銭的に困ると、もめなくて済んだ問題まで「貧すれば鈍する」でもめ事になり、うまくいく問題までうまくいかなくなるのが世の常です。
ですから、いつも勤労意識を持ち、運悪く不本意な職業しか得られなくとも、自分自身を養い、家族を養える額を稼ぐ責任感の有無は、重要なポイントです。
愛情やカスミを食べて生きるわけにはいかない
人生は長く、必ずしも公平ではありません。能力があって努力しても思うような職に就けなかったり、不本意な職業で生活費を稼がなくてはならないときや人は、多いのが現実です。
しかし、愛情やカスミを食って生きてはいけない以上、どんな状況でも、時にはプライドを捨ててでも、健康なら働いて生活の糧を稼ぐという、この常識を持ち合わせている人かどうかの見極めは重要です。
若い頃からお金は働いて手にするのでなく、誰かから貰うものという思考回路の人が一定数いることに、私は驚きます。今現在働いていないのに、「結婚したら働くだろう」「子どもができたら働くだろう」と期待を持つ人がいますが、幻に終わることが多いです。待ったなしでお金が要る人生で、若い今、働かずしていつ働くのだという話です。
または、何の裏付けもないのに「将来、君を世界旅行に連れていく」「私はこのままでは終わらない、必ずビッグな人間になる」など、平気で山師的な大口をたたく人に乗るのも、要注意です。家計に対する責任感が希薄で、貧すれば鈍する離婚相談も、非常に多いのが現実なのです。
家族と何かにつけてもめている人や、家族に薄情な人は、結局、結婚後のパートナーやそのほかの人間関係でも、その薄情さやわがままが出る場合が多いです(もちろん、極端な毒親などの例外は含みません)。
決して親きょうだいとは仲良くしましょうとか、親孝行ができる人と結婚しましょうという観点から指摘しているのではありません。
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