人口減少に悩む下呂市を支える地元民の挑戦 特産品の創生がアイデンティティにつながる
「ひだまりの家」管理者兼サービス管理責任者の熊崎晶子さんは、「(ラベルになるかもしれないということで、)ここを利用してくださっている利用者さんの才能や力を伸ばすことにつなげられるということがとてもうれしいです。自信とか今後の働く意欲とか、いろんなことにつながっていくといいなと思います」と話します。
熊崎晶子さんは、このプロジェクトを通して「ひだまりの家」の利用者の皆さんと地域との接点を増やしていけたらと期待しています。
「なかなか利用者の皆さんが地域の方と何かをするという機会が少ないですし、地域に利用者の皆さんが出ていくことで、皆さんのことを理解していただく場にもなる。ゆくゆくは地域の方達にお世話になりながら生活をしていく方がたくさんいるというのが現状です。ご家族とずっとこの先も生活できるかというとそうではないので、地域の方とか、家族以外の誰かの力を借りて生活していくことも大事になってくる。やはり、利用者の皆さんのことを理解していただくとか、皆さんにも地域の方々のことを理解してもらうとか、お互いに理解を深めていくということはすごく大切。突然会う人よりも、日頃から顔見知りで知っている人の方が、皆さんにとっても安心感はすごく大きいと思うので。そういう意味で地域とどんどんつながっていくことは大切かなと思います」
特産品で地元の新たな「アイデンティティ」を
昭和35年には4万8314人いた下呂市の人口も、平成30年4月時点で3万2892人まで減少しています。
「自分の郷土ですからね。帰ってきて、少し寂れているようなことがあると寂しい。人口減少に対する率直な危機感ということはないですが、人口減少を如実に感じることはたくさんあります。中学校の統合だということで、隣町の中学校が廃校になって、バスで隣の中学校に通う子どもたちも。どんどん子どもが減る一方、高齢者の数はこれから増えてくるばかりですから。地域を支える人の数が減ってくるというのは課題ですね」と、熊崎陽一さん。
下呂温泉を有する下呂市でも、「少子高齢化」や「人口減少」「地場産業の衰退」など、多くの地方自治体が抱えるこれらの課題を、例に漏れず抱えています。こうした状況の中での新たな特産品づくりは、地元にとって大きな意味を持つと熊崎さんは話します。