人口減少で日本企業に「大合併」時代が訪れる

2060年までに、日本から「200万社」が消える

日本の生産性が低い根本理由は、「規模の小さい企業で働く日本人が多すぎる」ことだという(撮影:尾形文繁)
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、『新・観光立国論』『新・生産性立国論』など、日本を救う数々の提言を行ってきた彼が、ついにたどり着いた日本の生存戦略をまとめた『日本人の勝算』が刊行された。
人口減少と高齢化という未曾有の危機を前に、日本人はどう戦えばいいのか。本連載では、アトキンソン氏の分析を紹介していく。

日本の生産性が低いのは「大いなる謎」だった

この連載のポイントは、労働者の賃金を「永遠に上げ続ける」トレンドに戻さないと、日本経済は成長しないということです。個人消費は日本経済の最大の要素ですので、人が減り、高齢化も進むことを考えれば、労働者の所得を増やさないかぎり、個人消費は増えません。

この点は子どもでもわかる話ですが、なぜか盲点となっています。生産性向上が、ただ単に所得を増やすための手段にすぎないという論点も、どこかで忘れられている気がします。

『日本人の勝算』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

今回は「日本経済の成長に最も悪影響を及ぼしている障壁」について論じます。

皆さんもご存じの通り、1980年代までは日本経済は先進国の中で、最も光輝いていました。生産性世界ランキングでは世界10位でした。ところが、1990年代に入ると一転、光を失い、世界の歴史に残るほど、激しい衰退を記録してしまいました。

日本人は、教育水準も高く、勤勉によく働きます。技術力が高いのも世界中が知っている厳然たる事実です。しかしながら、今は生産性が第28位と低く、経済成長が低レベルで、国民の所得も低いままというのも、偽らざる日本の姿です。ここまで低迷している先進国はなかなかありません。

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