人口減少で日本企業に「大合併」時代が訪れる 2060年までに、日本から「200万社」が消える

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日本は人材の評価が高いにもかかわらず、日本の生産性はイタリア(32位)やスペイン(33位)と、それほど大きく違いません。何より重要なのは、労働者1人当たりの生産性では、日本はイタリアやスペインより低いのです。これは感覚的には納得のいかない事実です。

日本は「潜在能力」と「実績」が最も乖離している

特に、生産性の潜在能力を測る指標を見ると、その思いはより強くなります。例えば、World Economic Forumが計算している各国の競争力ランキングでは、スペインは第28位で、イタリアは第31位です。対する日本の競争力は世界第5位です。

つまり、イタリアやスペインは、競争力のランキングと生産性のランキングがかなり一致しているのに、日本は競争力が強いわりに生産性が極端に低いのです。

この連載やいくつかの書籍でも繰り返し説明していますが、このようにデータを冷静かつ客観的に見ると、日本という国が潜在能力は抜群に高いけれど、その能力を生かせず、最も実績につなげられていない国だという結論に帰結します。それはなぜなのでしょうか。

私は、30年間、この謎を解くべく、研究を続けてきました。

アナリスト時代には、この謎の解明のため、さまざまな仮説を立てて、一つひとつ潰してきました。本を読んだり、人の話を聞いたりしましたが、やれ日本型資本主義だ、価値観の違いだ、農耕民族だからだ、多神教だからだなど、残念ながら、何一つ科学的な根拠のあるものはありませんでした。

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