人口減少で日本企業に「大合併」時代が訪れる 2060年までに、日本から「200万社」が消える
今回発表した『日本人の勝算』の要諦もここにあります。また、これから検証する生産性の問題の原因もすべてここに集約されます。日本は「賃上げ」をしないといけないのですが、それを実現するためには、企業の規模を拡大しないといけないのです。
企業の規模を拡大する「4つのメリット」
では、企業の規模を拡大することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントをご紹介します。
本連載の第1回「『永遠の賃上げ』が最強の経済政策である理由」でも説明しましたように、日本経済をデフレから脱却させ、社会保障制度と国の借金を維持するためには、個人消費を守る必要があります。
人口が減少する日本で個人消費を守るには、個人の所得を増やす必要があります。世界的に見て、所得の水準と最も関連性が深いのが企業の規模です。
学問の世界では、企業の規模と社員の所得の相関が極めて強い原因はまだ究明されておらず、謎だとされています。しかし、その相関が強いという事実はすでに確認されています。
日本は中小企業の中でも、極めて従業員の少ない零細事業者に労働人口が集中しているのが、所得が低くなってしまっている理由の1つなのです。
企業の規模を拡大することの最も大きなメリットが、所得が上がることです。
小さい企業が多いことによって、技術の普及が妨げられていることも、看過してはいけない非常に重要な問題です。
たしかに日本の技術力は優れていますし、イノベーションを起こす力も強いと評価されています。にもかかわらず、なぜ生産性が低いのか。
こちらも小さい規模の企業が多いことで説明できます。企業の規模が小さければ小さいほど、技術の普及が進まないのです。
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