人口減少に悩む下呂市を支える地元民の挑戦 特産品の創生がアイデンティティにつながる
「やっぱり、アイデンティティですね。それは都会にいればいるほど思いますね。都内のお店で『龍の瞳』を売っていると、『岐阜のお米? 僕の出身は高山なんだよ」「下呂なんだよ」と言って買ってくださる方がいる。地域の特産物というのは、地元にいるとなかなか分からないことが多いですが、地元を離れて外にいる人たちがまた故郷を振り返る上でも大切だと思います。『地元におもしろいものがある』というのを地元の人に分かってもらえる機会になればいいなと思います」
特産品で地元の新たな「アイデンティティ」の創造を目指す熊崎さんの夢は膨らむばかり。
「この地域は、昔は養蚕でご飯を食べていたというくらい養蚕が盛んな地域でした。昭和30年代くらいまでは養蚕をやっている家庭が多かったような地域です。まだまだ僕も知らない時代のことですが、腕に覚えのある方はまだ何人もいらっしゃると思います。養蚕を復活して、例えば、お年寄りたちが自分たちの活動の中でやっていく。『ひだまりの家』の方たちも、養蚕を紡ぐ作業は特徴を生かしながらやっていただける作業かもしれません。また、蚕の食べる桑の木を使って和紙を作ることができるそうなので、それを使って和紙が得られる。そしたら、今度は和紙をお酒のラベルに使っていくことができればおもしろいのではないかと思っています。そういうことも夢に描きながらできればいいと思いますね」
下呂の自然の恵みと地元の人々の思いや力の結集で生まれる今回の地酒。どのようなお酒になるのか。どう発展していくのか。これからの下呂市に目が離せません。クラウドファンディングでの支援の募集は2019年1月30日まで。
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