ココイチが「糖質オフカレー」を発売する事情 白米の代わりに「カリフラワー」はありなのか

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「糖質オフのカレーは、『お客様の声に応える』という基本方針の一環として自然にできたメニューです。つまり、当社が今のように商品数を増やしてきたのは、『大盛りにしてほしい』『カツじゃなくてハンバーグはないの?』といった、お客様のご希望を一つひとつ取り入れてきた結果なのです。糖質オフについても、何年か前からお客様からのご要望が増えてきており、開発を検討していました」(壱番屋経営企画室の浅井佳会氏)

量や辛さ、トッピングなどを選べるCoCo壱番屋のスタイルは、いわば、顧客のさまざまなわがままに応える手段として発達してきたものだった。近年では季節限定や地域限定商品なども発売されるようになっており、約40種類のメニューが並ぶ(ただしラインナップは店舗によって異なる)。なお、同チェーンの基本のカレーソースは、さまざまなトッピングに合うよう、あえて“特徴のない味”に仕上げられているという。

今回発売されたオフカレーも、カレーソースは従来のものを使っているそうだ。課題となったのが、ライスの糖質量をいかに減らすかだ。メニューの1つとして提供できる品質まで高めるために、開発には時間がかかったという。

「こんにゃく入りご飯など、さまざまな置き換え食材を検討しましたが、カレーに合う、おいしい食材がなかなか見つかりませんでした。味の面で満足いくものがあったとしても、糖質量の数値的なものが合わなかったり……」(浅井氏)

ライスに代わる最適な食材はカリフラワーだった

いろいろ試したなかで、最適な食材としてたどり着いたのが、カリフラワーだったという。1つには、色が白米に似ていることで、ご飯を食べている雰囲気が味わえるということが大きかったようだ。また、カリフラワーは特有の“ムレ臭”が苦手という人もいるが、カレーと合わせることで気にならなくなるのだという。カリフラワーは100グラム当たりの糖質量が約5グラム(ゆでた場合)と、野菜のなかでは糖質が高いが、白米と置き換えるのであれば大きく糖質を減らすことができる。

具体的には、オフカレーでは、ライス30グラム、カリフラワー120グラムを使用して主食代わりとした。ライス+カリフラワー量・カレーソース量ともに、同チェーンのスモールカレーと同じグラム数だ。なお、標準のカレーではライス量は300グラムあるから、ライスは10分の1に減っていることになる。

ライスを皿の左側にまとめた盛りつけ方も工夫点だ。「カリフラワーとライスを混ぜて食べても、それぞれ別に食べてもよいのですが、右利きの方の場合は右側からスプーンを入れる場合が多いですね。自然に、カリフラワーを先に食べることになり、ベジファーストになります」(浅井氏)

ベジファーストとは、先に野菜を食べてから、ご飯や肉などのメインを後に食べる食事法。食物繊維の働きで糖質や脂質の吸収が緩やかになるほか、かさのある食物繊維によって満腹感が得られるので、ご飯を食べすぎずにすむ。

このように、ダイエット面では大いに期待できそうなメニューに仕上がっているオフカレー。では、もっとも気になる味と満足感はどうだろうか。そもそも「カリフラワーがライス代わり」と聞いて、「おいしそう」と思う人は少ないはずだ。カリフラワー嫌いというわけではなくても、特有のぼそぼそした食感・後味がまず思い浮かぶ。

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