ココイチが「糖質オフカレー」を発売する事情 白米の代わりに「カリフラワー」はありなのか

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しかし案に相違し、実際に食べてみると、違和感はあまりなかった。カリフラワーが米粒大にカットしてあるためか、ぼそぼそした食感はない。もちろん白米の味や食感とはまったく違うが、カレーソースと合わせて食べると、サクサクとした歯ごたえからか、「野菜の多いカレー」を食べているような感触がある。味にくせがないので、白米代わりとして、カレーを中和する役割を十分に果たす。また白米と混ぜ合わせても、カリフラワーの味が主張するということはない。

満足感についてはどうだろうか。オフカレーはAフライドチキン&ほうれん草、Bミニハンバーグ&チーズ、Cイカ&ソーセージなど、トッピングをあらかじめ組み合わせたメニュー展開となっている。主食をオフにした分、たんぱく質を多めにしてあるため、食べ足りなかったり、すぐにお腹がすいたりということはなさそうだ。もちろん、希望によりさらにトッピングを増やすことも可能だ。

実際の売れ行きはどうなのだろうか。

「爆発的には売れていません。ただ、感触はよいと思っております。発売前に約30店舗で2カ月間試行販売したときにも、お客様からの厳しい意見はまったくありませんでした」(浅井氏)

糖質制限中の新規顧客を取り込む狙い

特に大々的な宣伝をしたわけではないが、SNSなどでオフカレーの情報を得て、訪れた客は多かったそうだ。その理由として、糖質オフメニューの選択肢の狭さが挙げられる。なかでもランチと言えば、丼もの、麵類などが定番。ランチ時間帯の外食店は“糖質中心”となる。糖質制限中の人にとって、糖質が抑えられるメニューを選択肢として確保しておくのは切実なのだ。

「既存のお客様にオフカレーに移行してもらう、というよりは、糖質制限中の方を取り込むことを狙っています。糖質オフダイエットがブームにもなっておりますので、口コミなどで少しずつ認知度が上がって『じわっ』と広まっていけばと考えています」(浅井氏)

もともと女性を意識したメニューだったが、予想外に男性客からの注文が多いという。

同チェーンでは20〜50代の男性客がメイン層だが、女性客が1人でも入れるような店作り・メニュー展開を進めてきている。2004年に1000店舗を達成、そして2005年にはロゴおよび店舗内外装の変更に着手した。大きく変わったのが座席の幅。日本人の体格の変化に合わせたこともあるが、シックな色合いの内装と合わせて、よりゆったりとできる店へと転換を図ったのだ。スープカレーのように女性や年配者も食べやすいメニューも加えてきている。

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