北朝鮮「喜び組」の選び方は変わらず 権力者の世話をする女性「5課対象」は今も存続

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さらにRFAは、少女など若い女性だけでなく、30代の独身女性も5課対象になりうると紹介している。彼女たちは「5課寡婦」と呼ばれ、夫と死別、あるいは離婚して一人で生活している女性で、なかには子どもがいるケースもあるという。

5号寡婦の仕事は、党高位幹部の両親、特に幹部の父親の面倒をみることになるらしい。身の回りのことなど、身体を動かすのが不自由な高齢者の世話をすることになる。その代価として、5号寡婦の子どもたちは「万景台革命学院」に通学できるなどの優遇策がとられるという。この学院は、1974年に当時の最高指導者である金日成が設立し、抗日パルチザン運動に参加した者の子弟などが通う学校であり、朝鮮労働党の中核幹部の養成学校だ。

家族との交流は断絶

若い5号対象の場合、25~26歳ごろになると党が結婚させるという。最高指導者の身辺などを警護する護衛総局など特殊機関に勤務する独身男性の写真を数枚見せ、好みの男性を写真で選ばせる。これでは男性側に選択権がないが、「国のやることだから仕方がない」と男性側を説得することもあるそうだ。

結婚しても二人は特殊な身分であるため、家族には結婚の事実を伝えたくてもできない。結婚式自体も極秘に行われるらしく、ここに最高指導者の側で仕える者の悲哀があるようだ。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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