米ドルは、再び世界最強の通貨になる シェール革命で、これからは一段と円安が進む

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長期的には、ドル高が進む前提で企業経営をせよ

アメリカは近い将来、世界一のエネルギー大国になります。2015年には天然ガスの生産量でロシアをすでに追い抜き、原油の生産量でもサウジアラビアを抜くといわれています。結果、天然ガスと原油という2つの資源で、アメリカは世界一になるということです。これが為替のマーケットに何の影響も与えないはずがありません。

アメリカの生産力が高まる私達の身の回りには、石油から作られるモノがたくさんありますが、シェールガスが普及すると、多くのモノが安価なシェールガスで作られるようになるわけですから、モノの値段は全体的に以前より安くなっていくでしょう。

たとえば、プラスチックの原料になるエチレンは石油から作られていますが、これをシェールガスで作ろうとすると、従来の10分の1〜20分の1でできるようになるのです。

アメリカは豊富なシェールガスを使って、圧倒的に安いコストでモノを作れるようになるわけですから、アメリカの企業の生産性が高まって、国際競争力が増してくるのは間違いありません。その結果、当然、輸出も増えてくることになるでしょう。このような流れで考えると、日本の企業はこの先、今後は、円高リスクに備えるのではなく、むしろ長期的にドル高が進むのだという前提で、経営方針を考える必要があります。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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