JOC竹田氏の起訴はフランス政府の「復讐」か

世界が注目するのはゴーン氏との待遇の差

それどころか、現在65歳のリュインベック氏は来年6月に退任する予定で、何をしたところで失うものはない。つまり、同氏にとって今回の件は、出世や政治的影響とは無関係なのである。また、竹田氏聴取の日程調整は、ゴーン氏逮捕の数カ月前からされていたとも伝えられている。

今回の動きではいくつかのことがまだ明らかになっていない。たとえば、竹田氏が保釈金を支払ったのか、あるいは今後法的費用や罰金を支払う必要性があるかどうかは不明である。また、この件に関して関係者と話をすることを禁じられているかどうかもわからない。「竹田氏にとって朗報なのは、自らの裁判ファイルにアクセスできるようになるということだろう」と、フランスの刑事弁護士イヴ・レベユキエ氏は言う。

竹田氏は当面「自由の身」

竹田氏は今後数週間、数カ月、あるいは数年にわたって質問に答えるためにフランスの裁判官と面会しなければならない。拒否をした場合、竹田氏はフランス、あるいはフランス当局から情報を得て竹田氏の訴追を考えている国を訪れた際に逮捕される可能性がある。

とはいえ、竹田氏は当面「自由の身」である。正式裁判か否かの決定には今後何年もかかるうえ、竹田氏側の弁護士が、たとえば日本人がフランス外で起こした罪についてフランスが起訴することに疑問を呈するなど、さまざまな手段を使って手続きを遅らせることが可能だからだ。また、汚職の疑いなどでは、フランスでは罪が確定するまで容疑者を拘留されることはない。

こうした中、今後注目されるのはフランスによる今回の動きが、今後他国にどのような影響を与えるかである。

弁護士のアレキシス・ウェール氏は、「こうした事件は一般的にグローバルな広がりを持つ。たとえ外国で起きた、外国人よる犯罪行為であっても、訴追権限があると考える国が増えている」と話す。たとえば、「ディーゼルゲート」と称されるフォルクスワーゲン(VW)のスキャンダルはドイツで始まり、現在はアメリカやフランスなど他国でも広がりを見せている。

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