「学生が入学する前から、1クラス90人全員の顔と名前と経歴を完璧に覚えるというハーバードの教授のプロ意識に脱帽しました」(40代女性、教員)。
「さまざまな教授法が具体的に書かれているため、自分の授業にも取り入れ始めています」(50代男性、大学教授)。
「ケーススタディ」「講義とディスカッション」「ロールプレイ演習」「新興国実習」「コーチング&フィードバック」など、できるかぎり多くの教授法を網羅して掲載したが、どれもグローバル人材を育成するのに必要不可欠なメソッドだ。日本の教育にも、今後必要なテーマになるのかもしれない。
自分の志を思い出すきっかけに
本書を読んで、自分が就職したときの志を思い出し、さらに今、自分がいる業界の未来を考えるきっかけになったという人もいる。こちらは、ある40代のマスコミ関係者の感想だ。
〈MBAというと、資本主義そのもの、その頂点のようなイメージがありました。ところが、「いかに儲けるか」ではなく、「いかに世の中に良いインパクトを与えるのか」を教え、そのためのリーダーを育てるというのが究極の目的だったとは!
ふと、自分の原点を思い出しました。自分はバブル最盛期に就職に失敗し、2年目の就職活動の前に、さすがにどこかには引っかからねばならないと考えて、どこに就職しても自分を納得させられるロジックを考え出そうと思い立ちました。
そこで自分の“究極の未来”というのをイメージしてみたのです。老人になった自分は、自分が子供の頃に遊んだ小さい公園のブランコに座っている。その先にしゃがんで砂いじりをしている孫が1人か2人……。
さて、そんな自分の未来を実現するにはどうしたらいいか?自分にとって「よい未来」を実現するためには、「よい世の中」につながるような働き方を……。
そんなことを考えて2回目の就職活動に臨み、幸運にも希望の職につき、今の自分があるのです。そして思うのです。あのときの自分の目をいま、正面から見られるのか?と〉
世の中によいインパクトを与えることがリーダーの使命。この教えは、自分がいる業界やポジションにかかわらず、人はなぜ働くのか、という普遍的な問いにも答えているのかもしれない。
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