ホンダ「NSX」2019モデルはここまで進化した

かつてあった繊細さや洗練さが増している

初代NSXで採用されたイモラオレンジ・パールを現代の技術を用いて刷新した新色「サーマルオレンジパール」のボディ(筆者撮影)

今から29年前の1990年、ホンダから1台のスーパースポーツカーが登場した。言わずと知れた初代「NSX」である。

日常使いできてしまうスーパースポーツカーの誕生

日本初のミドシップスーパースポーツでオールアルミボディ、V6-3.0LのVTECエンジンなどの最新技術に加えて、スーパースポーツでありながら「いつでも/誰でも/どこでも乗れる」というフレキシブル性が画期的だった。

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当時のスーパースポーツのほとんどは、いわゆる踏めば速いが曲がるのにはテクニックを要する「直線番長」でハンドリングは誰でも扱える代物ではないうえ、日常使いなどはまったく考慮されていなかった。対して、NSXの車名を意味する「新しいスポーツカーの経験(New Sports Car eXperience)」は世界中で高く評価された。その証拠に最新のスーパースポーツは速さに加えて、日常的な使い勝手や安全性もシッカリと備えている。初代NSXは時代を先取りしていたといえる。

先日、初代NSXに試乗をする機会があった。かつて憧れだったモデルに今乗ると「夢のままのほうがよかった」と思うクルマが多いが、NSXは昔の印象とほとんど変わらなかった。それに驚く一方で、「30年の間のクルマの進化っていったい何だったのか?」と考えさせられたのも事実である……。

ただ、当時の自動車メディアの記事を振り返ってみると、必ずしも絶賛ばかりではなかった。「面白みに欠ける」「官能性がない」「普通すぎる」などなど。従来のスーパースポーツ像とは異なる初代NSXを素直に受け入れられない人もいた……というわけだ。

その後、1992年にタイプR追加、1995年にタイプT追加、1997年に1回目のビッグマイナーチェンジ(エンジンを3.2L化)&タイプS追加、そしてそして2001年のビッグマイナーチェンジ(エクステリア変更)と、翌年にタイプR(通称02R)の追加と、進化・熟成が行われた。もちろん当時から社内では次期モデルの提案が行われていたがどれも決定打に欠け、結果として15年のロングセラーとなり2005年に生産を終えた。

その後、2007年のデトロイトショーでV10+FRベースのSH-AWDを搭載したスーパースポーツが量産直前まで開発されたが、リーマンショックの影響で開発を凍結。当時、記者会見の席で当時の福井威夫社長は記者からの質問に「V10スポーツの開発は中止しましたが、今後それとは違うNSX後継車を提案したい」と語った。

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