独断!2019年に注目したい「ゆく町、くる町」

あなたの住む町は入っている?

200万~300万円で購入できる戸建てもある神奈川県・横須賀(筆者撮影)

春の住み替えシーズンを迎え、どこに住むべきかを問われる季節目前である。利便性から考えるのが一般的だが、働き方、住に求める優先順位などが変化しつつある今、それだけではない考え方もあろう。ここではお得に住める町、投資に向いた町、面白くなりそうな町、住んでいる人たちの努力を無にしそうな町、さまざまな町を紹介したい。

100万円以下の一戸建ても、安さに可能性

横須賀市

都心、湾岸などで不動産価格が上昇、高止まりする一方、首都圏でも郊外部では売れない地域、価格が下落する町も見かけるようになった。200万~300万円で一戸建てが買える地域もあり、その代表格が神奈川県横須賀市だ。

横須賀市は海辺、川沿いの低地以外の大半は丘陵地で、高低差が大きく、急坂、階段の多い複雑な地形。それが敬遠され、階段の先にある住宅は空き家化しやすい。2014年には首都圏では珍しく谷戸(丘陵が浸食されて生まれた谷状の地形)の空き家を対象にした空き家バンクが作られ、話題になった。

一般には不動産価格の下落はマイナスと考えられる。だが、車並みの価格で不動産が買えると考えたらどうだろう。場所があったらできる趣味、やりたいことがあるという人もいるだろうし、投資としても手を出しやすい。実際、自家用、投資用、それぞれに横須賀に目をつける人が出始めている。

まずは自家用。恵比寿で飲食店を営む佐久間奈都子氏は2016年秋に京急線田浦駅から歩いて10分ほど、庭、山林を含め1000㎡弱の土地に建つ海を望む古民家を1000万円で手に入れた。20年ほど空き家だった築85年以上の建物は廃屋に見えたそうだが、元大学教授の家というだけあってしっかり造られており、建具の細工も見事だ。

それまで1年間、毎日検索、数十軒以上の空き家を見てきた佐久間氏は即決し、基礎と床貼りなど最低限の大工作業を終えたうえで翌年4月に引っ越した。以降、手を入れながら住んでいる。

佐久間さんの住居(筆者撮影)

それまでも店の仕入れに週2~3回は三浦に通っており、営業終了後は自動車で帰宅。夜間の恵比寿―横須賀間は1時間ほどで、さほど遠くない。であれば都心で高い家賃の狭い家に住むより、大きな犬が飼える広い庭のある家での暮らしのほうが豊かと選択した。入居後には保護犬のエアデールテリアを家族に迎え、庭の梅で自家製梅干しを作る暮らしを楽しむ。出勤前に犬と子どもを連れて海辺を散歩することもある。

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