また、表示装置は文字表示とスピーカーのほかに上部に大きく“OFF”と刻印された楕円型の電源スイッチを備えているが、ドライバーが電源をオフにしてもイグニッションをオン(走行可能なREADY状態)にすると自動的に電源が入る。
トヨタは高齢化が進むなかで「高齢運転者への事故防止策は待ったなしの状態であり、同じく高齢運転者のペダル踏み間違い事故が多いことから、真っ先に取り組むべき課題」と認識。よって「開発から商品化まで約1年半程度」(前出のシステム開発者)という短期間で販売した。この社会貢献度は非常に大きい。ちなみに、ダイハツからも類似の機能が「つくつく防止」として2007年12月〜2013年10月に発売された軽自動車「タント」(L375)向けに発売されている。
自動ブレーキ機能はなく、過信は禁物
最後に、今回トヨタから発売された踏み間違い加速抑制システムには、衝突被害軽減ブレーキと呼ばれる自動ブレーキ機能はない。ブレーキはかからないのだ。あくまでもセンサーが正しく障害物を認識している場合や、後退時に一定の条件のなかでアクセルとブレーキを踏み間違えてしまったときに、アクセル操作による加速が抑制され警報ブザーと表示による回避動作を促す限定的な機能に終始する。
また、こうしたADASは筆者も自車で経験済み(今回のシステムではなく超音波ソナーを使ったほかの機能)だが、センサーに雪や泥が付着してしまうとシステムが正しく働かないこともある。よってこうしたシステムは、その仕組みと物理的な限界点を理解し過信しないことがなによりも大切である。
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