プリウスに後付け安全装置が設定された理由 アクアにも、「ペダルの踏み間違い事故」防ぐ

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現時点で、この後付け機能が付けられる対象車は2車種合わせて約230万台(トヨタ)にのぼる。この数字は、日本における自動車保有台数8156万台(2018年3月末日現在、一般財団法人・自動車検査登録情報協会の発表値で軽自動車を含む)の約2.8%に相当する。トヨタは、この踏み間違い加速抑制システムを水平展開し、順次搭載車種を増やしていくという。

クルマの平均使用年数は増加傾向にある(普通乗用車は13.24年、小型貨物車は13.65年/データはいずれも2018年3月末日現在で一般財団法人・自動車検査登録情報協会の発表値)。一方、衝突被害ブレーキや今回の踏み間違い加速抑制システムにはじまるADAS(Advanced Driver Assistance Systems/先進運転支援装置)の普及率はここ5年ほど急激に増え出した。つまり現時点における平均使用年数の増加は、いわゆるADASを持たないクルマが市場に数多く保有されていることの裏付けにもなる。

近年では、電子技術の高度化と制御技術の安定化、そしてセンサーそのものが安価になってきたことで、自動車メーカー以外からもペダル踏み間違い時に発生する事故抑制を目的としたADASが後付け商品として市場で販売されている。

230万台を対象とする「レトロフィット」は例がない

また、今回のように販売後の車両に機能を後付けすることを「レトロフィット」と呼び、過去には商用車メーカーである三菱ふそうトラック・バス株式会社の大型観光バス「エアロクイーン/エアロエース」において衝突被害ブレーキのレトロフィットが実施された。しかし、今回のように230万台を対象とする大規模な実施は例がない。

実際に「踏み間違い加速抑制システム」(右上)を搭載した車内(筆者撮影)

トヨタの踏み間違い加速抑制システムは全国のトヨタ車両販売店で発売中だ。価格はシステム単体で税込み5万5080円と安価な設定。車両への装着には車両の装備や装着品によって追加費用が発生したり、取り付け工賃が必要になったりするが、「プリウスの場合、取り付け工賃込みの概算で8万円程度」(トヨタ自動車の同システム開発者)という。

この工賃込みで8万円程度という価格設定は「高齢となった両親の運転操作を心配する子どもたち、いわゆる団塊ジュニア世代の方々にも無理なくお支払いいただける金額を上限値として想定した」(同)とのこと。

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