コニカミノルタ「直営プラネタリウム」の実力 コピー機メーカー知名度拡大の切り札
ちょうど80年前、東京日日新聞(現毎日新聞)が東京で初めてプラネタリウムを開いたのが、有楽町の地だ。12月19日、そんなゆかりの地に星空と宇宙の新たなテーマパークが誕生した。日本初の2つのドームシアターを備えたプラネタリウム施設「コニカミノルタ プラネタリアTOKYO」だ。
オフィス向け複合機が主力事業のコニカミノルタだが、実は1957年に、千代田光学精工(旧ミノルタの前身)が国産初のプラネタリウムを開発した経緯を持つ老舗メーカーでもある。すでに東京・池袋のサンシャインシティと東京スカイツリータウン内に直営のプラネタリウム施設を展開。プラネタリアTOKYOは、同社の直営施設として3館目だ。
演劇やバーなど新たな試みも
プラネタリアTOKYOでは、作曲家の久石譲氏が書き下ろした音楽に合わせた作品などが上映されている。さらに星空や映像を単に投影するだけではなく、映像と合わせた演劇の上演や、金曜日の夜にドーム内で酒類を楽しめる「バープラネタリウム」など、新たな試みも行われる。
星や宇宙に関連するアクセサリーや飲食物を販売するショップとカフェも併設。宝飾店「4℃」とのコラボ商品やオリジナルの「光るボトルドリンク」は、平日のオープン初日から「想定を超える売れ行き」(機器を製造し、施設を運営する子会社のコニカミノルタプラネタリウムの持田啓介社長)。
「銀河シート」と呼ばれるドーム内のプレミアムシートは、通常シートの価格が1600~1800円のところ、2100~4600円という設定だが、クリスマス直前の3連休はオンライン販売開始後に即日完売するなど、さっそく人気スポットになる兆しも見えている。
今では若い女性を中心に人気施設となっているプラネタリウムだが、実は観光スポットとして広く認識されてきたわけではない。長い間、教育用施設だと考えられてきたからだ。
日本で初めてプラネタリウムが開設されたのは1937年。大阪市立電気科学館(現大阪市立科学館)に海外製プラネタリウムが設置された。戦後も全国各地の科学館や地方自治体の施設を中心に、プラネタリウムの導入が進んだ。多くの施設は公営で、民営の施設は多くなかった。研究員や専門の解説員が、天体の動きや星座について解説するのが主要な定番プログラムとして続いた。
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