アルパインvs「物言う株主」、最終決戦の行方 臨時株主総会でアルプス電気との統合を問う

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アルプス電気とアルパインの本社の入るビル。明日ここでアルパインの臨時株主総会が開かれる(撮影:大澤 誠)

1年以上「物言う株主」に揺さぶられた経営統合案件が、明日12月5日、いよいよ決戦の日を迎える。

経営統合を目指しているのは、カーナビや車載音響機器を手掛けるアルパインと、その親会社の電子部品大手アルプス電気だ。アルプス電気はアルパインの発行済み株式数の40%強を保有しており、今回、株式交換による経営統合を目指している。明日開かれるアルパインの臨時株主総会で、その賛否が問われることになる。

この経営統合でアルパインと対決姿勢を見せているのは香港の投資ファンド、オアシス・マネジメント・カンパニー。これまでも任天堂に対し経営改革を提案したり、同じく経営統合問題で揺れた石油大手・出光興産の大株主として登場したりするなど、日本で活発に動くファンドだ。オアシスはアルパインの株を2015年1月に取得。現在は発行済み株式数の9%強を保有する大株主だ。

「前哨戦」だった6月の定時株主総会

アルパインとオアシスは6月21日に開かれたアルパインの定時株主総会でも激しいプロキシーファイト(委任状争奪戦)を展開。オアシスは大幅増配と独自の社外取締役を提案していた。

統合の是非を問う臨時株主総会では、統合への賛成が3分の2以上集まらなければ否決される。そのため、オアシスの最高投資責任者であるセス・フィッシャー氏は、6月の定時総会を「(統合の是非を問う)12月の総会に向けて、(統合阻止ラインの)3分の1以上の株主を味方につけられることを示す前哨戦」と位置づけていた。

結果はオアシス側の提案がいずれも否決されたものの、アルパイン側の提案も7割前後の賛成しか集まらなかった。日本企業の株主総会では会社側の提案が9割強の賛成で通ることが一般的。

オアシス側は定時総会後、「自らの提案が通らなかったことには失望したが、12月の臨時株主総会に向けて少数株主がアルパインに対してもっている不信を示すことはできた」(フィリップ・メイヤーCOO<最高執行責任者>)と、事実上の「勝利」をアピールしていた。

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