アルパインが「物言う株主」から狙われた必然 アルプス電気との経営統合に「待った」

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東京大田区にあるアルプス電気本社。アルパインの本社も同じビルの中にある(撮影:大澤 誠)

カーナビや車載音響機器を手掛けるアルパインが、「物言う株主」に揺さぶりをかけられている。

アルパインと対決姿勢を見せているのは香港の投資ファンド、オアシス・マネジメント・カンパニー。これまで任天堂やパナホームに経営改革を提案するなど、日本で活発に動くファンドだ。5月には昭和シェル石油との経営統合問題に揺れる石油大手・出光興産の大株主として登場した。

そのオアシスがアルパインの株を取得したのが、2015年1月。現在は発行済み株式数の9%強を保有する大株主になっている。

6月総会に向けてプロキシーファイト

アルパインとオアシスは、6月21日に開かれるアルパインの定時株主総会に向けて激しいプロキシーファイト(議決権争奪戦)を展開中だ。オアシスは大幅増配と独自の社外取締役を提案。アルパインの取締役会はこれに反対し、前年と同額の配当と別の人事案を示している。

攻防の発端は、昨年7月に公表されたアルプス電気との経営統合だった。

アルプス電気はアルパインの約40%の株を保有する親会社。経営統合計画は2016年12月にアルプス電気がアルパインに持ちかけた。スマートフォンの台頭でアルパインが手掛けるカーナビなど車載機器市場は縮小傾向。同業のパイオニアは2期連続の最終赤字に陥っている。アルプス電気にとって統合は「アルパイン早期救済という側面がある」(アルプス電気社員)。

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