自動車メーカーがオートサロンに本腰のワケ 各社が「一般向け」狙いでカスタムカーを強化
低い車高に厳ついフロントグリル、派手な塗装に、ぎらぎらと艶やかに光るホイール。幕張メッセにカスタムカーがずらりと並ぶ。1月12日、改造車の祭典「東京オートサロン2018」が開幕。最先端技術を披露するモーターショーとはひと味違い、最高性能を備えたスポーツカーや、こだわりを尽くしたカスタムカー、カスタムパーツが1月14日まで展示される。
今年の出展社数は422社と2017年を30社あまり下回ったが、展示車両は880台と史上最高規模に。広いブースを求める企業が増え、後から申し込んで出展を断られた企業もあったほどだ。来場者数も近年増加傾向だ。2017年は3日間で32万人あまりが来場した。同年の東京モーターショーの来場者数は10日間で77万人あまり。引けも取らない集客力だが、来場者が増えメジャー化したことで、オートサロンの性質は変化しつつある。
自動車メーカーがカスタムカーを強化
今年の展示で目立つのは自動車メーカー自らが手掛けるカスタムカーだ。車のユーザーがパーツを1点ずつ買い、カスタマイズするのは手間がかかりハードルも高い。カスタムカーを1台まるごと買う方が手間が減る、というニーズに応えた形だ。一般受けを狙ったデザインの車が増えていると業界関係者は口をそろえるが、カスタムカーの販売を伸ばしたい自動車メーカーの動きが一因にありそうだ。
ホンダは、国内発売前の「CR-V ハイブリッド」や人気車種「シビック ハッチバック」のカスタムカーを出展。人気車種の走行性を標準車より高めた「モデューロX」シリーズでは「ステップワゴン」や先月発売したばかりの「フリード」がブースに登場。バンパーやエアロパーツ、ドアミラーの色や素材も、標準車と異なる。これらはフロアマットなど純正アクセサリーを扱うホンダアクセスがチューニングしている。
ホンダアクセスのブースでは、スポーツカー「CR-Z」をアウトドア仕様にした「Re:Z」や、人気キャラクター「バーバパパ」とコラボレーションしてカスタマイズした「N-BOX」など、社員による自由な発想を具現化したコンセプトカーが展示されており、賑わいを見せていた。
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