アルパインvs「物言う株主」、最終決戦の行方 臨時株主総会でアルプス電気との統合を問う

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一方のアルパインは、オアシスが主張するような業績上振れを見越していたことは否定。統合発表が早かったことについては、「独占禁止法の審査への対応と米国会計基準への書き換え対応、リーク対策」(IR担当者)の3点を理由に挙げている。

ただ、アルパインにとって、6月の定時総会で約3割の株主がオアシス側についたのは懸念材料である。アルパイン関係者は「統合の是非を問う臨時総会は、定時総会とは案件が違う」と、定時総会の結果が直接影響することはないと語る。その一方で、アルパインはアルプス電気とともにオアシス対抗策を打ち出した。

オアシス提案以上の株主還元を実施へ

アルパインは9月27日、アルプス電気との経営統合が認められれば、1株あたり100円の特別配当を支払うと発表。さらに11月26日にはアルプス電気も、統合後に400億円規模の自社株買いを行うと発表した。これら2つの株主還元策を実施すると、オアシスが提案する否決後300円の特別配当の規模を上回ることになる。

アルプス電気の栗山年弘社長は「グローバルスタンダードに沿い、キャッシュを貯め込むようなことはせず、資本効率を意識した経営をする」と話しており、その姿勢を具体的に示した形だ。

「経営統合は両社の株主にとって利益になる」と語るアルプス電気の栗山年弘社長(撮影:今井康一)

また栗山氏は、今回の経営統合がアルプス電気とアルパインの両社の株主にとって利益になると説明する。そもそもアルパインが手掛けるカーナビなどの車載機器市場は競合他社のパイオニアが経営危機に陥るなど、スマートフォンの台頭などで市場環境が厳しくなっている。今回の統合は、アルパインの早期救済という側面もある。

アルプス電気にとっても、アルパインがカーナビなどで培ってきたソフトウェア技術を電子部品に取り入れることで製品の付加価値を高められる。「電子部品からソフトウェアの搭載まで一貫して行うことで、より付加価値の高いデバイスを提供でき、自動車向け以外にもチャンスが広がる」(栗山氏)。企業価値を最大化させるためには、統合が必須との考えだ。

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