コニカミノルタ「直営プラネタリウム」の実力 コピー機メーカー知名度拡大の切り札

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この施設で追求したのは、娯楽性やリラクゼーション。「経営が立ち行かなくなったほかの館や過去と同じことをしても仕方がない」(藤掛氏)。有名俳優をナレーターに起用したり、ヒーリング音楽に合わせたプログラムを用意したりするなど、大人向けのコンテンツを充実させた。

「当時はエンターテインメントということを意識したわけではなかったが、結果的にそうなった」と藤掛氏は言う。「プラネタリウムは教育用」という子ども向けのイメージからの脱却を図ったのだ。

結果としてオープンから約70日で入場者数は10万人を超え、商業的にも成功。2012年には東京押上に2館目の直営館「コニカミノルタプラネタリウム"天空" in 東京スカイツリータウン」をオープンさせ、メーカーが施設も直営する方式が軌道に乗った。

コニカミノルタ社内でも期待の事業に

コニカミノルタプラネタリウムの業績は昨2017年度こそVR(仮想現実)関連の投資がかさみ、純利益で5100万円の赤字だったが、2012年度には営業利益で1億5000万円の黒字を出すなど、「これまで堅調な状態が続いている」(持田氏)。

コニカミノルタプラネタリウムの持田啓介社長(左)と藤掛曜平取締役(右)(記者撮影)

コニカミノルタは、写真フィルムやカメラ事業を扱っていた旧コニカと、カメラや複合機事業を展開していた旧ミノルタの2社が2003年に統合し、誕生した。プラネタリウム施設の運営は統合して間もない時期に始まった新しい挑戦でもあった。

同社は2006年に祖業であるカメラや写真フィルムの事業から撤退し、現在は複合機などB to Bの事業が大半を占める。そのため、プラネタリウムは「数少ない一般消費者向け事業で、知名度向上の役割を果たしている」(会社側)。「もともと科学館や自治体向けの事業が、会社内でほぼ唯一の消費者向け事業になったのは皮肉だね」と持田氏は話す。

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