2006年に62%を誇っていた日本人参加率は、昨年には54%まで落ち込んでいる。日本でも東京マラソンなど人気レースが誕生したこともあり、ホノルルマラソンのステータスは東京、大阪、名古屋など日本の大都市マラソンに押されぎみだ。ちなみに東京マラソンがスタートしたのが2007年。この頃から、ホノルルマラソンのブランドが揺らぎだしたといえるかもしれない。
ホノルルマラソンは長年、日本航空がメインスポンサーを務めており、今年も唯一の特別協賛だ。現在は協賛がMUFG CARDとアディダス ジャパンの2社で、賛助協賛がNTTドコモとSATOHAP(佐藤製薬)の2社となっている。この協賛企業のラインナップからもわかるように、ホノルルマラソン“ビジネス”は明らかに外国人(日本人)に向けた仕様になっている。
たとえば、アディダス ジャパンは協賛金を払うことで、「ホノルルマラソン」ブランドのウエアやグッズを販売できる権利を得て、他社メーカーとの差別化を図っている。
では、日本人参加者のピークがあった2006年はどうだったのか。日本航空の特別協賛は同じだが、協賛がナイキ、DC CARD(現在のMUFG CARD)、コナミスポーツクラブ、アミノバリューの4社(ブランド)もあった。中でも大きいのが、2004年からサポートしていたアミノバリューが2006年限りで撤退したことだろう。ホノルルを離れたアミノバリューは、東京マラソン(2007年~)のオフィシャルパートナーになっている。
その後は、コナミスポーツクラブも2007年大会で協賛を切り上げ、2009年を最後にナイキも撤退。2010年の協賛はMUFG CARDの1社だけとなったが、2011年にアディダス ジャパンが加わり、現在のかたちになった。なお、ナイキは協賛企業の撤退を決めると、ワイキキにあった「ナイキタウン」も閉店している。そして、協賛企業が減ったホノルルマラソンは、エントリー料金の値上げに踏み切った。
「高値の花」化するホノルル出場
2006年大会のエントリー料金は日本受付の第1期が1万1200円、ホノルル現地受付が125ドル。それが、翌2007年大会では日本受付の第1期が1万5000円、ホノルル現地受付が175ドルに大幅UPした。
その後も年々、エントリー料金は増額していき、今年(2013年)は、日本受付の第1期が2万2000円、同第2期が2万5000円、ホノルル現地受付が290ドルまで高騰した。現地受付のエントリー料を7年前と比較すると、実に2.32倍も上昇していることになる。東京マラソンのエントリー料が1万円ということを考えると、ホノルルマラソンの参加費の割高感は否めない。そして、問題はエントリー代金だけではない。日本からの参加を考えた場合、渡航費と現地の滞在費も高騰しているのだ。
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