たとえば大手旅行代理店では、スタンダード・エコノミークラスの金曜日発3泊5日コースが大人1人(2人1室利用)で約26万円(燃油サーチャージ代込み)だ。レース直前説明会や、練習会などマラソンサポートプログラムが付随しているとはいえ、かなり高額だ。ちなみに、この旅行会社が特別に高いわけではなく、ほとんどの旅行会社が強気ともいえる料金設定をしている。
ちなみにホノルルマラソン翌週になるとエコノミークラスホテル利用の金曜日発3泊5日コースが、大人1人(2人1室利用)で約9万円(燃油サーチャージ代込み)からある。マラソンサポートプログラムを高く見積もって5万円だとしても、ホノルルマラソン開催時にホノルルへ行くには、10万円ほど余分にかかることになる。言い換えれば、日本から出発するランナーのホノルルマラソン料金はプラス10万円だ。
ランナーとその家族、マラソンツアー関係者などを含めると、ホノルルマラソン開催時は2万人以上の日本人がいると推測できる。それはやはりものすごい数字だ。当然、日本からホノルルへの便は奪い合いとなる。マラソンツアー以外で行こうとしても、旅行代理店に航空券をガッチリ抑えられているため、この期間にチケットを獲得するのは難しい。
筆者はホノルルマラソンを3回走ったことがあるが、ホノルルは「もう一度走りたい」と思わせるような大会だ。しかし、個人的には師走の多忙な時期に、しかもエントリー料金を含めて、30万円以上もかかるレースに出る余裕はない。
大会当日の年齢が7歳以上なら参加できて、レース前日までエントリー可能。制限時間もない。非常にお気楽な大会なはずなのに、日本からの参加となると急激にシビアになる。ホノルルマラソンは若い女性ランナーの参加が多いのだが、筆者の周囲では「ホノルル行き」を断念する女性ランナーも少なくない。
まだ薄暗い朝5時。花火とともに飛び出して、多くの仲間とともにゴールを目指す。南国の日差しはランナーには厳しいかもしれない。でも、42.195kmを駆け抜けて、フィニッシュしたときの爽快感は最高の気分だ。ストイックなマラソンという種目なのに、なぜか自然と笑顔がこぼれしまう大会、ホノルルマラソン。参加の際には、ツアー料金とエントリー料以上の“思い出”を、ぜひ、つくってほしいと思う。
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