40歳で「先が見えてしまった」男たちの出口

山田ルイ53世×田中俊之が語り合う

前回に引き続き、山田ルイ53世さんと田中俊之さんの40男コンプレックス対談。今の若手芸人の生き方や、気持ちの最終的な落としどころとは?(写真:イースト・プレス提供)
芸人仲間について描いた『一発屋芸人列伝』で、見事大きな話題をさらったお笑い芸人であり作家でもある山田ルイ53世さん。そして日本における男性学研究の第一人者として活躍する、大正大学心理社会学部の田中俊之さん。
一見無関係に見える2人の共通点は「40男」であるということ――。
「40歳ともなれば“ひとかどの人物”になっていると思っていた」と口々にぼやく2人が、今思うこととは。「40男」の苦悩と、出口は。2人が徹底的に語り合った新刊『中年男ルネッサンス』より抜粋してご紹介します。
前回記事に続く今回は、「“無双”宮台真司みたいになれなかった」と田中先生がこぼすところから始まります。

宮台真司になりたかった、なれると思っていた30代

山田前回記事で、田中先生が30代など周りの人から何の時計や財布を使っているか聞かれるというお話がありました。田中先生の答えは素朴にG-SHOCKだったりするわけですが、聞かれるということは、周りからは成功を収めた、参考にしたい「ひとかどの人物」だと思われている、期待されているってことじゃないですか?

田中:いやあ、僕の能力じゃ、とてもじゃないけど期待には応えられないですよ。この前、「AbemaPrime」に社会学者の大先輩である宮台真司先生が出演していたんですが、まさに“宮台無双“といった感じで、Twitter でも「宮台って何者なんだ!」と騒然となっていて。宮台先生は、政治から経済、若者文化まで本当に何でも知っているし、何でも語れる。ネット世代の若者に、社会学者として言葉の力を見せつけてくれました。

山田:ラッパーの呂布カルマさんの言葉をお借りするなら、「言葉のウェイトに差がありすぎる」というやつですね。

田中:同じ番組に出演していても、僕は男性学と結びつけられそうな話題に対して、多少アカデミックをまぶしてコメントする程度の役割を果たしているだけ。

山田:同じです。お笑いの先輩方もすさまじいですから。そもそも田中先生は、社会学のいちばんの本道から逃げて男性学をチョイスしているわけですから、それはしょうがないですよ……いやジョークです(笑)。

田中:いやあ、でもそのとおりです。僕なんかは、男性学という特異な分野を専門にしているおかげで、研究者としてなんとか生き延びているようなものですから。

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