宮台真司になりたかった、なれると思っていた30代
山田:前回記事で、田中先生が30代など周りの人から何の時計や財布を使っているか聞かれるというお話がありました。田中先生の答えは素朴にG-SHOCKだったりするわけですが、聞かれるということは、周りからは成功を収めた、参考にしたい「ひとかどの人物」だと思われている、期待されているってことじゃないですか?
田中:いやあ、僕の能力じゃ、とてもじゃないけど期待には応えられないですよ。この前、「AbemaPrime」に社会学者の大先輩である宮台真司先生が出演していたんですが、まさに“宮台無双“といった感じで、Twitter でも「宮台って何者なんだ!」と騒然となっていて。宮台先生は、政治から経済、若者文化まで本当に何でも知っているし、何でも語れる。ネット世代の若者に、社会学者として言葉の力を見せつけてくれました。
山田:ラッパーの呂布カルマさんの言葉をお借りするなら、「言葉のウェイトに差がありすぎる」というやつですね。
田中:同じ番組に出演していても、僕は男性学と結びつけられそうな話題に対して、多少アカデミックをまぶしてコメントする程度の役割を果たしているだけ。
山田:同じです。お笑いの先輩方もすさまじいですから。そもそも田中先生は、社会学のいちばんの本道から逃げて男性学をチョイスしているわけですから、それはしょうがないですよ……いやジョークです(笑)。
田中:いやあ、でもそのとおりです。僕なんかは、男性学という特異な分野を専門にしているおかげで、研究者としてなんとか生き延びているようなものですから。