個性的なお店が林立している味園ビルの2階部分
大阪の繁華街、千日前(大阪市中央区)にある味園ビルの2階部分には、個性的なお店が林立している。歩いているだけでワクワクドキドキする不思議な場所だ。
味園ビルが建てられたのは1956年と半世紀以上の昔、日本が高度経済成長期だった頃だ。ビル内には宴会場、キャバレー、サウナ、ホテル、スナックなどのレジャー施設が営業して大変にぎわっていたという。
時代は変わりバブルがはじけた後は、訪れる客が激減した。2階部分に所狭しと並んでいたスナックも大半が潰れてしまった。
その後、経営方針が変わり、若いオーナーが増えてバーやライブハウスなどの運営を始めた。若者らしい、サブカル、アングラな雰囲気のお店もたくさん作られた。東京でいうと新宿歌舞伎町のゴールデン街のような個性的な飲み屋街が、ビルの2階部分に形成されているのだ。
この雰囲気が受けて、連日多数のお客さんが訪れては、飲み歩いている。筆者も大阪に出張する際は、必ず立ち寄っている。
そんな味園ビルの中にある「深夜喫茶 銭ゲバ」は今年で営業13年目、老舗のバーになる。常連客も多く、毎日にぎわっている。クリエーターやタレントが訪れることも少なくない。チャージなしで1ドリンク500円のキャッシュオン(現金払い)なので、初めてのお客さんでも入店しやすい。
銭ゲバを経営するムヤニーさん(45歳)は、定休日も作らずほぼ毎日カウンターの中に入り営業している。
もともとはサラリーマンとバーテンダーの二足のわらじを履いていたが、現在はバーの売り上げのみで生活をしている。
バーのマスターをやってみたいと思う人は少なくないが、実際にお店を立ち上げて会社を辞める人はごく少数だ。
どのような経緯でお店を開くことになったのか、そして店舗経営の長続きのコツはなんなのか。
営業が始まる前の、銭ゲバ店内で聞いた。
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