「カフェイン取りすぎ」はやはりヤバいのか 「眠れるから大丈夫」という人は要注意

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研究チームが挙げた有害な影響の例としては、免疫系と中枢神経系の反応低下、記憶障害のほか、問題解決や判断、動機付け、注意力、記憶、学習、感情、共感などに関わる脳の前頭葉と辺縁系の働きに変化を及ぼす恐れもあるという。

心疾患のリスクがある人にとってカフェインの過剰摂取によるおそらく最も深刻な影響は、血圧の上昇だ。ロバロのチームは、健康な若い男女でも「毎日カフェインを摂取してもカフェインに対する血圧反応はなくならない」と指摘している。

高血圧症の人も過剰摂取には注意が必要

別の研究でも、高血圧症の人やそのリスクがある人は、カフェイン摂取によるコルチゾールの分泌反応が増大することが示されている

私の弟は長いこと高血圧の治療を受けており、現在は塩分控えめの食生活を心がけている。しかし、それに加えて日々のカフェイン摂取量を抑えればより効果があるだろう。私がこう勧めても彼は断固拒否したが。

心臓血管に関しても、弟のような人が血液中を移動するコルチゾールを減らすべき理由がある。冠動脈疾患の罹患歴も兆候もない466人の健康な男女(平均年齢62歳)を対象に行われた2012年の英国調査では、ストレスのかかるタスクを行った反応でコルチゾールが大幅に増加した人の40%は、その後3年間で冠動脈のカルシウム沈着が著しく増えた。カルシウムのレベルが高いと動脈プラークができやすくなり、心臓発作が起きるリスクも高まるとされる。

健康で若い女性の被験者でも、ストレスによる血圧上昇で、13年後に冠動脈にカルシウムが沈着する可能性が24%高まることが明らかになっている。

人生におけるよいことの大半がそうであるように、カフェインも、効果を最大限にし、リスクを最小限にするカギは適度な量だ。

(執筆:Jane E. Brody、翻訳:中丸碧)

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