ますます興味をそそる「トランプ人事」の驚愕

焦点のFRBはイエレン前議長の再登板も?

トランプ大統領(左)は利上げに走るパウエルFRB議長(右)も交代させるのか(写真:Carlos Barria/File Photo/Reuters)

アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたG20(11月30日~12月1日)では、アメリカのドナルド・トランプ大統領の天才的ネゴシエーターとしての力量が遺憾なく発揮された。1つは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との米ロ首脳会談を、ウクライナ問題を理由に中止する決断をしたことだ。

この連載の一覧はこちら

本稿「トランプが『日本叩き』を加速させ始めた真因」に記述したように、「今後米ロ首脳会談が行われるかどうかはプーチン大統領の意向次第」という、アメリカのジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障担当)の不用意な発言があって以来、トランプ大統領の米ロ外交に関する言動が注目されていた。

ところが今回のトランプ大統領の決断で、以後、米ロ外交はトランプ大統領のペースで仕切られることが明白となった。G20夕食会でトランプ大統領とプーチン大統領は短い会話を交わしたが、両者とも対峙することなく、冷静かつ穏やかな対応ぶりだった。米ロ首脳の間に感情的な対立があるとは思えない。

パパ・ブッシュの”温情ある”アレンジ

もう1つの決断は、12月1日に予定していたG20に関する記者会見を、トランプ大統領の一存で中止したことだ。それには、11月30日に逝去した「パパ・ブッシュ」の名で親しまれた、父のジョージ・H・W・ブッシュ元大統領への最大の敬意が込められている。

アルゼンチンからの帰途に、トランプ大統領はテキサス空路用の別の大統領専用機エア・フォース・ワンで、パパ・ブッシュ元大統領の遺体を、葬儀が行われる首都ワシントンD.C.へ荘厳に運ぶ手配をした。

パパ・ブッシュ元大統領はそのまじめさで、日本でも広く知られている。直接、会う機会があった筆者は、その底抜けに明るい温かい人柄に、深い感銘を覚えた記憶がある。長年、ウォール街で公私ともに親しく仕事をしてきたエリオット・リチャードソン元司法・国防・商務・厚生長官の紹介で、筆者はパパ・ブッシュ元大統領に会う機会を得たのだが、そのリチャードソン元司法長官は、子のブッシュ・ジュニア元大統領が”親父の一番の親友”と呼ぶ、ジェームズ・ベーカー元財務・国務長官と非常に親しかった。そのことから、パパ・ブッシュ元大統領とも親しくしていた。

CNNニュースが報じるところによると、パパ・ブッッシュ元大統領は、これまでのトランプ大統領とブッシュ家の対立の経緯をすべて水に流し、本人の葬儀の際には、トランプ大統領が招待ゲストに必ず含まれるようにアレンジしていたという。それは、パパ・ブッシュ元大統領の明るく高潔にして温情のある人柄ゆえのこと、と察せられる。

次ページトランプ大統領とブッシュ家の対立
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ブックス・レビュー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT